シマエナガ GAME OVER!

@mochihuwa4

第一話

第一話 畳み掛ける GAME OVER!


「……」


まるっこいフォルムにふわふわのちっちゃい身体なのはわかるが、それ以外はまったくといっていいほどよくはわからない。


ばくっ。


シマエナガ GAME OVER!


いかんいかん。ヘビに食べられてしまったようだ。そうかそうか、と川の水面に浮かぶ自分の姿をよく見ると白くてかわいいかわいいシマエナガになっていることにようやく気がつく。

なるほどなるほど。僕はシマエナガになっていたのか。

とりあえずあの木の上に飛び乗るとするか。


ごんっ。


シマエナガ GAME OVER!


「ちくせう。まさかのお枝の上にあたひになふとは。」


このままでは命がいくつあってもたりない。

はじめはちょっとしたお嬢様言葉を使ったが、僕の声はシマエナガの鳴き声であるピッ、ピッ、ジュリジュとしか人や動物にはわからない。

つまり、意思疎通が他の動物とは出来ないのだ。


さてさて、ようやく飛行の感覚が掴める様になってきたのだが、僕の名前は島柄一長。えっ?本名はしまえ かずなが。前世はシマエナガという渾名だったのでこれからもシマエナガとしてよろしく。

自己紹介はこれぐらいにしないと何やら前からお上品な黒い鳥が……。


じゅるり。


シマエナガ GAME OVER!


やれやれ。はたまた、今度はカラスに髄液を食べられてしまった。残念無念。

神様はシマエナガの身体に無数の残機を僕の身体にいれているのか毎回その場復活というありがたいのかよくわからない特殊能力を僕に与えることにしたらしく、今はカラスに食べられる時に乗った枝にいる。ふむふむ、カラスは今、別の獲物を狙いに行った模様。


しかし、こうして見ると雪の妖精、シマエナガは非常に脆いことがわかる。第一話で三回もお亡くなりになるのは僕だけじゃなかろうか。

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