【完結】断罪される悪役令嬢に、断罪される悪役令嬢

海雀

プロローグ

「お前、わたくしを誰だと思っているのよ!?」


「えっ、あ……っ! は、はひィっ……!?」


 グランフェルト王国が誇る、王立貴族学園のホールにて、大音声が響き渡る。

 紫髪の緩やかに波打たせた美貌の女性が、居丈高に扇子を突き付け睨み付けていた。


 睨み付けられた緑髪をした女性は、何を言われたか理解できず、戸惑いながら媚びを売る視線を返していた。


 扇子を突き付ける紫髪の女性は、公爵令嬢エレオノーラ・フェルトバーク。

 学園内で最も爵位が高く、そして最も恐ろしい人物と評判だった。


 事実として、公爵位にある人間は偉い。

 しかし、その偉大さを理由に他人を攻撃する行為は、品が無いと看做される。

 ましてや、その扇子を突き付ける相手は、自分の取り巻きの一人だった。


 セイラ・バークレン伯爵令嬢。

 それが、今も激昂されている理由も分からず、おどおどとしている女性の名前だった。


 実際、周囲の人間からしても、彼女が何か不調法をしたとは思っていなかった。

 そして、セイラがエレオノーラの取り巻きなのも周知の事実だ。

 敵対派閥の相手ならばともかく、身内が粗相をしたのなら、他人の目がない所で諌めるものである。


 余程、目に余る行為だったとしても、やはり衆目を浴びる場所でする事ではない。

 取り巻きの主人として立場を明確にしているなら、彼女らを守る立場であると表明しているも同然なのだ。


 それにも関わらず、エレオノーラが取り巻きの一人を糾弾している。

 場所も目立つし、今は人が行き交う昼食時。

 これで注目を浴びない訳もなかった。


「お、恐れながら……。わたしは、な、何を怒られているのでしょうか……? エレオノーラ様から不興を買う様な真似は、けっ、決して……!」


「何を言っているの。つい先ほど、正にしたばかりでしょう?」


「は、は……っ?」


 セイラの顔は青ざめ、必死に言葉の意味を理解しようとしている。

 額からは汗が流れ、両手の指を不格好に動かしながら、周囲の助けがないか視線を向けていた。


 しかし、誰からも助けは飛んでこない。

 エレオノーラの後ろにいる、他の取り巻きからも助けはなかった。

 その彼女らも一様に困惑しており、互いに目配せして原因を探っているようだ。

 何か告げ口したりと、陰険な罠でない事は間違いないらしい。


 それで余計に分からなくなる。

 エレオノーラは一体、何に対して激昂しているのか……?


「も、も、申し訳ありません……! 決してわざとではなく! い、いえ! いえ! 私は何をしてしまったのでしょうか……!?」


「呆れさせてくれるわね」


 エレオノーラは扇子を開いて口元を隠すと、蔑む視線でセイラを射抜く。


「お前は私の前を横切った。そんな事が許されると思って?」


「は、は……? よこ、ぎった……?」


 周囲の衆目から、ざわめきが漏れる。

 例えば正式な参列などで、その歩行や進行を妨げると罰が下される。

 しかしそれは、行事な儀式などの場合であって、まして学園内の自由時間で適用されるものではない。


 周囲の困惑からも、エレオノーラを非難する声が上がる程だった。

 目と鼻の先で横切ったのなら、注意散漫として諌められるのも仕方がない。

 しかし、彼女たちの間に、そんなものは無かった筈なのだ。


「だから、先程の事よ。どれほど距離が離れていようと、わたくしの視界に映る中で横切られては不愉快よ。不調法と罵られて、当然と思いなさい!」


「そ、そんな……! そんなのって……!」


「おだまり!」


 エレオノーラは厳しく断じたが、周囲の声は同情的だった。

 実際に横切った場面を見た人もいて、教室二つ分以上離れてた、という話も聞こえてくる。

 それ程の距離が空いていて難癖を付けられるのであれば、どこにいようと糾弾されると言っている様なものだ。


「お前にこの場で裁きを与える。今すぐ荷物を纏めて退学なさい。金輪際、その顔を見せないで。――いいわね!?」


「そ、そんな! あんまりです! どうして私が!? エレオノーラ様……ッ!!」


 縋り付こうと近付くセイラに、扇子で頬を叩いて押し飛ばす。

 衝撃自体は大きなものでなかった。

 しかし、言い渡された内容に衝撃を受けて、そのまま倒れ込んでしまう。


「エレオノーラ様! 何故ですか! どうして……!?」


 離れていく背に声を投げ掛けても、エレオノーラは振り返ったりしない。

 他の取り巻きが不憫そうに振り返ってくれたが、その顔は蒼白に染まっている。

 逆らえば、次は自分の番かもしれない。

 そう思えば、唯々諾々と声も出さずに従うしかないのだ。


「どうして……っ」


 セイラはその場で泣き崩れる。

 周囲の人間も、これはあんまりだ、と彼女に同情的だった。


「いや、大丈夫だ。エレオノーラ嬢が幾ら強い権威を持っていようと、あれしきの理由で退学になど出来ないよ」


「虫の居所が悪かっただけでしょう。時間を置いて謝れば、きっと……」


「謝ると言っても、あれは理由が酷すぎますわ。彼女の視界の中では、廊下の端に寄って頭を下げてろとでも言うの?」


「あんな横暴、許されないよ……!」


 誰もが口々にセイラを養護する。

 この学園内では王子殿下が在籍していて、彼が最も位が高い。

 それに次いで高いのはエレオノーラ公爵令嬢で、女性では最も位の高い人物という事になる。


 女性の中では誰も文句を付けられない、という意味でもあるのだが、これは明らかにやり過ぎだった。

 こんな沙汰は許されない。


 学園長の許可なしに、勝手な退学など許されない筈だし、最低でもそこで話は止まるだろう。

 エレオノーラの癇癪に当てられた彼女は気の毒だが、そんな勝手は許されない。


 誰もがそう思って憤っていた。

 しかし、翌日――。

 彼女の退学が受理されたと、学園内に響き渡る。


 朝一番に出て行き、もう学園には居ないらしい。

 その噂話がものの一瞬で広まり、エレオノーラへの畏怖が高まった。


 そこまでやるのか。

 そこまで、やれてしまうのか。


 公爵家の権威を恐れ、そしてエレオノーラの勘気に触れぬよう、誰もが息を潜める。

 エレオノーラに逆らえば、誰であろうと同じ目に遭うだろう。

 取り巻きでさえそうなら、他の誰も安心できない。


 彼女の権威と畏怖が、今まさに、学園内を支配しようとしていた。



 ※※※



 キリの良いところまで読み終わって、一度本を閉じてから、ベッドの上で身体を伸ばす。


「んー……ッ! ……はぁっ」


 休日にゴロゴロしながら読書するのが、私の楽しみであり、お気に入りの時間だった。

 気に入った本は大抵、二度読み、三度読みする。

 今読んでいる小説も、既に読み直して三回目だ。

 創作の世界に没頭するのが私の趣味で、また逃げ口でもあった。


 京華院星羅、それが私の名前だ。

 よくお嬢様っぽい名前だと言われるけど、ごく普通の一般家庭で生まれた。

 下町のアパート暮らしで、持ち家も無し。

 立派な名前に反した、どこにでもある、ごくありふれた家庭に生まれた。


 両親共働きで、父もサラリーマンだし、母はスーパーでパートをして暮らしていた。

 名前の事で虐められていた私は、不登校にこそならなかったが、友達もいなかった。


 その所為で、夕方まで誰も居ない家で過ごすのが当然だったし、遊びに行く事もないので、部屋で本を読む時間が大半になった。

 社会人になれば少しでも活発になるかと思えば、そんな事もなく今でも習慣化したそれが続いている。


 小説が好きだ。

 物語を読むのが好きだ。

 本ならば大抵、何でも読む。


 恋愛小説、少年漫画、児童小説、純文学など取り止めもない。

 時に専門誌を読む事もあり、最近ではワイン特集があって特に面白かった。

 苦境に立つブドウ農家の再生について書かれていて、自分では飲まない癖に妙に熱が入って読み耽ってしまった。


 そうした没頭こそが、私の救いだった。

 空想の世界、自分が知らない未知の現実。

 それに触れている時間こそ、自分の生活の主軸だった。


 ごく普通の家庭、ごく普通の日常が傍にあっても――。

 私は常に、そことは一線を引いて、自分の世界に閉じこもっていた。


 それが逃避だと理解している。

 ほんのひと時、空想に逃げ込んでいるだけに過ぎない。

 それでも、そのひと時が何より大事だった。


 一人暮らしの家の中は怖いくらい静かで、冷蔵庫から出る低い音ぐらいしか物音はない。

 窓の外からは時折車やトラックが走る音、子供が楽しげに笑う声が聞こえて来る。


 それらを聞くともなく聞き、窓の外から流れてくる風に頬を撫でられた。

 心地よく、気分が上向くのを感じる。

 読書を再開しようと体勢を直し、再び手に本を取った。


 気付けば夕方が近づき、日は傾いている。

 西日が当たると暑いくらいだった。

 カーテンを引こうか迷い、結局面倒になって我慢する方を選んだ。


 油断していると、すぐに夜の帳が降りてくる。

 このぐらいの時間帯は、目を離すとすぐに日が落ちるものだ。


 お米ぐらいは研いでおかないと――。

 夕飯の食材あったっけ――。

 暗くなると、外に出るのは億劫になる――。

 でも、それでも――。


 本にのめり込むと止められない。

 視界が次第に暗くなって来る。

 だが、日が落ちるには少し早すぎる気もした。

 瞼も重く、腕が痺れて本を落とす。


 ――あれ……?


 声が出ない。

 腕も上がらず、身体も起こせなかった。

 ただ、身体が怠い。


 それにひどく眠かった。

 耳に聞こえる音は遠く、車の音さえ聞こえない。

 

 ――何が……。


 瞼が落ちて、視界が完全に暗くなった。

 目を開けよう、身体を起こそう……そう思うのに、身体は言う事を聞かなかった。


 ――あぁ、せめて、米だけでも研がないと……。


 食べる物が何もない。

 のんきな事を考えている場合ではないのに、緊張感もまるでなかった。

 焦りさえなく、物語へ没頭する時の様に思考が狭まる。

 意識が宙吊りされるように遠くなり、その引力に身を委ね、眠気に任せて細く息を吐いた。



 ※※※



 ――ィラ……ま、……きて……さい。


 どこか遠くで、誰かから呼ばれる声がする。

 水の中から聞いているような、ひどくボヤけた声だった。

 家の外で、誰かを呼び掛けていたりするのだろうか。


 ――セィラ……ま。……く、おき……い。


 未だ微睡みの中にいて、身体は重く、まるで溶けてしまった錯覚に陥る。

 声は明瞭になりつつあったが、私には関係ないことだ。

 まだ、もう少し寝ていたい。

 そう思った矢先、身体を乱暴に揺すられて、身体がビクリと跳ねた。


「――フゴッ!?」


 呼吸のタイミング悪く、吸い込んだ息が鼻に入って変な音が出る。

 乱暴な手付きではなく、むしろ優しい手付きではあった。

 しかし、未知の感覚に身体が驚いてしまったらしい。


 目を開けると、そこには見知らぬ少女が立っていた。

 それもただの女性ではない。

 メイドのお仕着せを来た十五歳前後の彼女が、朝陽の光を背後に、こちらを無表情に見つめている。


 ――朝陽?


「えっ、誰……!? うそっ、朝……!?」


「左様でございます。ですから昨晩、寝過ごさないよう早くお眠りになれば、と忠告いたしました」


 したり顔で説教してくるメイドの存在も意味不明で、その言葉も頭に入って来ない。

 そして、現在の時刻――。


 ちょっと寝過ごしたでは、足りない程の時間が経過している事に驚いている。

 更には、聞き覚えのない声が、自分の喉から出てきた事にも混乱した。


 慌てて起き上がると、そこは私の部屋ではない、全く見覚えのないものばかりが目の中に飛び込んでくる。

 天蓋付きの広いベッド、三十畳でも足りない広い部屋、連なる様にいくつもある窓……。


 部屋の奥には本棚と、その前に机があって、まるで重役の部屋に見える。

 畳の上にベッドを置いた六畳間とは、比べ物にならない豪奢で絢爛な部屋だった。

 そして何より、こちらを覗き込んでくるメイドの存在……。


「なんだ、夢か……」


 再び眠りに付こうと身体を倒すと、メイドが手を伸ばして、強制的にベッドから起こされた。


「夢ではありません。起きて下さい」


「いだっ! いだだだ! いだい――痛いっての! 何で人を起こすのにアイアンクローしてんの!?」


「夢でない事を確認できて幸せ、私はお嬢様の頭蓋骨割チャレンジ出来て幸せ、誰もが得する見事なプランです」


「馬鹿なの!? 死ぬわよ! さっさと離しなさい、この怪力馬鹿!」


「お嬢様、そんな汚い言葉、どこで覚えましたか。このまま床に叩き付けられたいんですか?」


「いだ、いだだだ! 何よもう、訳わかんない! 私を誰と勘違いしてるのよ!?」


 そう言ってる間にも、片手一本で宙吊りにされた頭蓋骨が、ミシミシと音を立てている。

 涙目で唾を飛ばしながら抗議を続けていると手が離され、ぽすん、とベッドの上に落とされた。

 指が食い込んでいた頭部に手を当て、呻いている間にも、メイドは素知らぬ声音で続ける。


「大変元気で、結構な事です。では、すぐに支度を始めますので、二度寝しないで待っていて下さい」


「あ、ちょっと……!」


 言う間にメイドは離れていって、その後ろ姿を見送る破目になってしまった。

 メイドは一顧だにせず、その大き過ぎる扉から出ていく。


 あれは勘違いをしている。

 それも、盛大な勘違いを。


 私はお嬢様などではないし、こんな所で寝られる伝手など持ってない。

 何かが間違って――。


 いや、何を間違えれば、こんな豪華な部屋で寝てる事になるのだろう?

 昨日は――多分、昨日はお気に入りの小説を読んでいて、途中で寝落ちした筈なのだが……。


 夜中に運ばれたのだとしても、こんな家に縁もゆかりも無いし、そもそも窓から見える外の景色に覚えもない。

 どこまでも広がる何かの畑と、遠くに山、その下から森が広がっていて、日本国内の景色とは思えない光景がどこまでも続いていた。


 更に言うなら、この声――。

 あまりに甲高く、子供の声としか思えないものに変わっていた。


 自分の身の上に何かが起きている。

 それだけは確かなのに、何が起きているのかは全く意味不明だ。


「お待たせしました、お嬢様」


 その時、出ていったばかりのメイドがワゴンを押して帰って来た。

 ワゴンには多種多様の器具が並んでおり、洗面道具やブラッシングに使う櫛などから、身だしなみを整える準備をして来たと分かった。


 ベッド近くまで来てワゴンを止めると、説明もなくテキパキと準備を始めてしまった。

 だが、何かをされる前に、しっかりと釈明して、それから詳しい事情をして貰わなければならない。


「ちょっと、ちょっと待って頂戴。あなた、勘違いしているわ」


「何ですか、先に朝食ですか? だめですよ、まずは身嗜みからです。聞き分けて下さいね。その頭、カチ割られたいんですか?」


「なんでそんなおっかないこと言うの!? というか、説明! 説明しなさいよ! 誰がこんな所に連れてきたの!?」


「はて……?」


 今まで準備に集中していたメイドが、そこで初めて顔を向けた。

 黒髪をボブカットにした、美しい顔立ちをした少女は、無表情のままこちらの顔を覗き込んでくる。


「おかしな事をおっしゃいますね?」


「何がおかしいの……!」


「おかしいですよ。普段のお嬢様なら、即座に組み付いては噛み付き攻撃くらいはしてくる筈……。獰猛な猿より凶暴と名高いお嬢様が、説明を求めるなど……」


「ちょっと、どうなってんのよ、その評価。そもそも、猿より凶暴なんて不愉快極まりない――」


 そこまで言って、声のみならず、言動や思考傾向まで違うと気が付いた。

 聖羅が取る筈の行動からして、見ず知らずの相手に対し、こうもズケズケとモノを言えない。

 もし出来るなら、そもそもイジメなんか合わないだろう。

 自分の殻に閉じ籠り、小説にのめり込んだりしないのだ。


 そう思いながら頭に当てていた手を降ろすと、見覚えのない余りに小さなに気付いた。

 見慣れない小さな、苦労知らずの綺麗な手――。


 小学生低学年……あるいは、幼稚園生と見紛うばかりの小さな手がそこにあった。

 慌てて視線を下に向けると、その手に見合った小さな体が見える。


 更に視線を移せば、ベッドと反対側に大きな姿見が目に入った。

 すぐさま駆け寄り、改めて自分の姿を確認する。


 鏡に映った小さな子供は、仕立ての良い寝間着を来て、茫然とした表情で見つめていた。

 髪の毛は緩やかにウェーブして、背中に届く程もある。その上、黒髪ですらない。

 現代ではまず見られない若葉色が、聖羅の髪色だった。


 ――まるで、ファンタジー世界に迷い込んだかのようだ。

 かのよう……ではなく、本当に迷い込んでしまったのかもしれない。


 そうでなければ、一夜にして見覚えのない立地の屋敷で、寝ている事など有り得るだろうか。

 その上、別人――幼い子供の身体になってしまっている。


 ぺたぺたと吸い付く様な頬を何度も撫でても、それが偽物じゃないと分かるだけだ。

 鏡の中に映る聖羅も、同じように動きを返して来るものだから、これが紛れもない事実だと教えて来ている。


「セイラお嬢様……? 気が済んだら、戻って来て下さい。早く準備を済ませませんと」


「セイラ……お嬢様? どうして名前まで知ってんのよ?」


「何故も何もないでしょう。とうとう自分の名前まで忘れておしまいに? せめて自己紹介するだけの知性は、残して頂きたいのですが……」


「うるさいわね。何でそこまで言われないといけないのよ。っていうか、メイドでしょ!? その口の利き方、なってないわよ!」


「いつもの事ではないですか。何を今更……」


 それはそれで問題ではないのか。

 この屋敷の主人が、その態度を大目に見ているとしたら、セイラは相当な問題児だったらしい。


「大体、セイラって……」


 頭を掻き毟ろうとして、指が髪を掻き分けた時点で動きを止める。

 勿論、その名は自分のものだが、思い付いたのはそれだけではない。 

 つい先ほどまで読んでいた小説に、同名のキャラクターが登場していた。


 物語内では所謂モブだし、登場回数も数える程しかない。

 普通なら忘れられていて当然のキャラクターだ。

 それでも聖羅が印象に残っていたのは、直前に見ていただけでなく、自分と同じ名前だったからだ。


 登場後、数回いじわるキャラとして動き、その小悪党ぶりを披露した後、呆気なく退場させられてしまう。

 やられ役に、やられてしまう役。


 メインヒロインのライバル、本当の悪役令嬢に断罪される、端役の悪役令嬢。

 それが、セイラ・バークレンなのだと、今更ながらに思い出していた。

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