ファンクラブ

ノーネーム

第1話 荒んだ僕は蝶になれるかな(折れる)

テスト、これはテスト。俺は文章を打ち込んでいく。

「アジカン」の、「ファンクラブ」というアルバムを聴きながら。

「画面上に連なる言葉」を、俺は妄想しながら叩き出す。

秋の風が、部屋を取り巻いている。

噓。

窓は閉め切られ、カーテンは靡かない。

秋の夜風を感じに行くことすらもうしない。

毎日、指名手配犯のような気持ちだ。もう外は歩けない。


「一日中毛布にくるまって 世界から逃げる

傷つくことはなかったけど 心が腐ったよ」


ブランコに股がろう。この世界を揺らしに行こう。

そして、君の名を呼ぼう。

存在しない「君」を呼ぼう。そんな歌を俺は歌う。

なんだか聴きたくなったんだ。このアルバムを。

そしたらなんだかふと、「君」を思い出したんだ。

確かに存在した「君」を。

でも俺は君を呼ぶことすらしない。あの時、俺は俺を辞退した。

君は言った。僕は答えた。


「いつでも呼んでよ、そこで待ってるから」(誰も来ない家で)

「いつでも読んでよ、ここで書き連ねるから」(誰も思い出さない作品を)

「いつでも聴いてよ、僕はここで歌うから」(誰も見向きもしない歌を)


皆、遠いよ。遠い、遠いよ。

町を歩くと、心の奥で白いミサイルが弾け飛びそうになるんだ。

だから外には出ないのだ。


「読めもしない、ラテン語の聖歌に俺の名前が載っていたらいいのにな。

歌われる度に、俺は命を吹き返すんだ。」

────でももう、本当はそっとしといて欲しいんだ。

なのになぜ?なぜ俺は人に届かせようとするのだろうか。

正解は、ない。ただ、焦燥感を吐き出したいだけさ。


どうも。以前、あるノベルゲームのコミュニティで活動していた、

「ノーネーム」と申します。

気が向いた時に文章を放つので、ぜひ受け取ってニヤリ、としてください。

再見!








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ファンクラブ ノーネーム @noname1616

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