第53話タイムリミットらしいよ。知らんけど

「た、タイムリミット?」


あまりの衝撃の一言に、ついあたしは聞き返したらしいよ。


「そうです。いつまでも待ってられませんしね」


肯定されちゃったらしいよ……


でもな、まだタケは攻略完了してないし……


思い直してもらえないかな?


「お、お師匠、まだ能力与えた少年は恋人作れてないらしいよ。知らんけど」

「確証はないのですか?」

「あ、いや今のは口癖らしいよ。てかしってるでしょ!」

「ややこしい口癖やめればいいでしょ」


…別にいいじゃんか。


「というか、その少年の都合なんてどうでもいいのですよ。いつまでも動かないのが悪い」


う、それ言われたら何も言えなくなるらしいよ。

そもそも恋人どころか、一人に絞ることすらできてないし。


「そもそも回復させてあげた時点で、少年に能力を与える必要もなかったのですよ?それなのに勝ってな行動して……」

「うう……」

「でも、人間界を知る経験にもなるし、与えた人間をどう導くのかと興味本意で見張りを許しました」


あ、そういう理由だったんだ……


「もう充分すぎるほど時はたちましたから帰ってこいってことです」

「待って!お師匠!」


さすがにこれでサヨナラは、無責任がすぎるらしいよ。

…だから、


「せめて、タイムリミットをもう少しちょうだい!」

「はあ?何を……」

「遅いから強制終了ね!なんてのは理不尽がすぎるらしいよ知らんけど!ならせめて、この日までに決着つけねば能力没収ね、みたいなタイムリミットをあの少年にあげてほしい!」


それくらいならバチ当たらないでしょ。


「お願いお師匠!」

「……」


お師匠は少し考える。そしてため息をついて一言。


「仕方ないですね」

「やった!」

「ただし、そこまで長い期間は与えませんよ」


…え、なに3日だけとか?

某特撮みたいな!


「1ヶ月だけですからね」


…………



「長っ!」


つい声だしちゃった。


「なんですか?短くていいのですか?」


めっちゃ不満そうににらむお師匠。やべ……


「そんなまさか!ありがとうお師匠!」

「なら早く少年に伝えなさい。いいですね?1ヶ月後……クリスマスイブの終わる0時ちょうどに、能力剥奪とラズさんが去るという事を伝えなさいね。これ以上は一秒も伸ばしませんから」

「りょーかい!」


アタシはお師匠に頭を下げ、一目散に、かける!

早く、伝えなきゃ!


時間制限は1ヶ月後。

それまでにすべての決着をつけて彼女を作るんだタケ。


アタシも、能力もなくなるからね!


クリスマスまでに……

一人に絞れ!


攻略候補はおそらく、誰を選んでもOKもらえると思うし、後はタケの気持ち次第なんだからね!


つづくらしいよ。


次回は……

一人に絞れれるだろうかあいつ。

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