第37話 少し時が流れるらしいよ知らんけど

家デートが終わり、アタシはとりあえずタケに聞く。


「そろそろ一人に絞ったら?」

「なんで?」

「…なんでって。三人友達になったわけじゃん」

「うん」

「で、三人があんたに惚れるじゃん?」

「うん」

「…どうなると思う?」


タケは首をかしげる。

…わからないなら具体例教えてやるよ。


「あんた、弟の月人くんや友達の美波くんがあの三人に惚れたらどう思うよ」

「え、う~ん。…嫌かもな」

「それ知ってて関係なく、仲良くできる?」

「む、難しいかな…」

「それと同じ」

「あ、」


これでわかったか。まったく世話やける。


「で、でもそれで友達止めるとか、仲違いなんかはおれはしないぜ!」

「仮にあんたはそうでも、向こうの気持ちもあるでしょ?それにあの攻略候補の三人に当てはめれば余計どうなるかわかんない」


百合子みたいなさっぱりとした明るい子とかだって、油断はできないらしいよ。本音はわかんないし。


「美波くんが前に晶子のこと好きな友人いるから、あんたもその友人も応援しないって言ってたじゃん」

「あー確かそんなこと…」

「片方についたら、もう片方と仲良くしずらくなるから、そう言ったわけでしょ?」


角が立つからね。


「どっちにもつかなければ、上手くいったほうには祝福、ダメだったほうには慰めも効くしね。片方についてたらどの口で…ってなるし」

「た、確かに」

「アタシも意外と疎いからなんとも言えないけどさ、色恋で面倒事起こしてほしくないわけよ。もめにもめて刺されるとか嫌でしょ?」

「ひえっ…そりゃ嫌だよ…」


…まあさすがによほどな事しなけりゃ、そんなことにはならんだろうけどね。でも痴情のもつれって怖いし、肝に命じさせといたほうがいいっしょ。


「で、でも美波は彼女みたいな女の子いるし、月もおれと百合子ちゃんのこと応援してくれてるし」

「それは、例えの話しらしいよ!知らんけど!」


ちょっと大声で言ってやった。

問題は攻略候補の三人の話なのに何言ってんだこいつは…


てか美波くん彼女いるかもしんないの!?ショック…


「とにかく、早いうちに考えときなよ。誰と付き合うか」

「…ハーレムは」

「人間界、というかこの国では無茶じゃね?知らんけど」


まあ結婚しないとかなら、できなくはないかもだけど、それこそ三人の気持ち次第だろうし。


重婚のために、異世界行くとか言われても困るけどね。外国なら好きにしろって感じだけど。





でも、言ってやったのに、タケは結論出せずにズルズルと好感度上げながら、時を刻んでいたらしいよ。


時は進み夏休み…

そろそろ決断しろよタケ。



つづくらしいよ。


次回は…海にでも行くのかな?

そろそろ一人に絞って告白しろ!

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