第2話 朝馬建人らしいよ知らんけど
なにはともあれかくかくしかじか。
この高校生に何が起きたか説明した。
「よくわからんけどオレはあんたに殺されたってこと?」
「うん」
「いやうん……じゃねえでしょ!」
「生き返ったからいいじゃん」
「ん!?…ん。うん?そ、そうなのか?いいのかな…」
この高校生自問自答してるの?
考えることもないでしょうに。
殺されたと言っても、生き返ってるなら何も損してないんだし。
え?悪いとおもってないみたいって?
いやいや悪いとおもってるらしいよ。ホントだよ?
「確かに…確かに失ったものもないとは言えるが、腑におちねえのですがね」
めんどくさ!
素直に許す気にならないって感じらしいよ。
細かい事気にするとモテないよ多分。
……でも今回の事はアタシが百悪い。
「しょーがないな。お詫びするらしいよ。知らんけど」
「へ?らしいよ?」
「口癖に突っ込むな!」
「あ、はい」
さっきアタシは思ったらしいよ。
モテないって。
じゃあモテる手伝いしてやればいいと思ったわけ。
「君、名前は?」
「名前?
「じゃタケね」
愛称決めてアタシはタケの目に手を当てる。
ブブブと携帯のバイブみたいに震える。魔力がタケの目に集中してるらしいよ。魔力とは人間にもあるという内なる特殊なエネルギーなんだけど、この話にはあまり関係ないから割愛するね。
ちなみに痛みとかはないはずだよ。
「終わったらしいよ」
「何したの?」
「簡単に言うと、特殊な目を授けたらしいよ」
「特殊な目?」
「ギャルゲーアイ」
「へ?」
ギャルゲーアイとは!
攻略可能ヒロインを見つける事が可能。
そして好感度を上げることができる可能性のある選択肢が、見えるようになる。
相手の好みがわかる…などなど。
それをタケに説明したらしいよ。
「まあ要するに彼女作れるかもしれない力、あげたってこと。それで手打ちにしてほしいらしいよ」
…とは言ったものの、そんな得体のしれない力あげるから……なんて甘い言葉にのってこないかな?
とは言っても、他にお詫びのしようがない。
お金とか言われても、見習い天使だし天界人と契約できるほどの大物でもないし。
天界人とは天界にいる人種で、天界人との契約ってのは、その人物に力を与える事らしいよ。
そうして力を得た天界人は魔族などといった相手と戦う…ってこれはまた別のお話で、このバカな高校生には関係ないらしいよ。
……あれ?タケが震えてる。
怒りに身を任せて、襲い掛かるつもりじゃないだろうね。
とはいえこんな魔力のない人間なんて、見習いのアタシでも秒殺できるらしいよ、
でもこっちがわるいわけだし…
「いやったあ!!」
!!バカが…いや、タケが万歳三唱してるらしいよ。
何こいつキッショ…
「つまりカワイイ彼女が俺にもできるわけだよな!いや…て、照れるな。清い交際から、始めなきゃ…」
血に染まったネクタイを締め直してるらしいよ。
……うーんまあバカでよかった。
彼女がカワイイとも限らないし、できるとも限らないのに…
つづくらしいよ。
自己紹介と言ったな。アレは嘘ではないが、名前だけだった…らしいよ。
次は細かい説明と学園へレッツラゴーらしいよ。知らんけど。
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