塩と土と(三)

 七州[デウアルト国]側の本陣にいた、ノルセン・ホランクとアステレ・アジョウが、敵左翼にファルエール・ヴェルヴェルヴァがいるのを知り、あいさつに訪れた。

 鉄仮面は、「刺し違えてもヴェルヴェルヴァを……」と言いかけた、ノルセンのみぎほほを平手打ちし、「生きて帰って来いよ」と言葉をかけた。

 それから、アジョウの髪をでながら、「ノルセンを守ってやってくれ。おまえにしかできない仕事だ」と声をかけた。「ヴェルヴェルヴァを倒したら、氷菓子ですね」とアジョウが言ったので、「ああ、もうパント゠ダルガデ[東南州州都]の氷室に用意させてある。一緒に東南州へ行こう」と応じた。それに対して、アジョウはいつもの無表情のまま、「楽しみ」と言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る