第4話【正体と増えていく謎】
「なぁショウ、少し…心当たりがあるんだ……」
「心当たり?」
「あぁ…」
龍牙は、謎の人物、黒い人物の事を話した。
「なるほど…」
「それでお前と会ったんだ、おかしいだろ?そもそもそいつがなぜこの場所を俺に?」
「そうだね…」
「せめてあいつの居場所や手がかりさえあれば、もしかしたらお前の兄、ラトに近づけるかもと思ってな。」
「じゃあ…聞き込みをしてみましょう!」
「その手があったか…ナイスだぞ〜ショウ♪」
「えへへ…///」
二人は今すぐ、黒い人物についての調査を始めた。
━━━━━━━━数時間後━━━━━━━
「聞き込み…してはみたけど、なんの手がかりも掴めなかったな…」
「すみません…」
「いや、ショウが悪いわけじゃない、謝んな」
「でも……マスター…なんだか辛そうな顔をしていて…」
「大丈夫だって……疲れただけ、今日はもう諦めて、帰って寝るぞ」
「うん……」
今日の聞き込みの結果は収穫無し、失敗に終えた。
そして二人は家に一旦帰り、一夜を過ごすことにした。
「おやすみなさい、マスター」
「あぁ…おやすみ」
二人は目をつぶり、眠りにつく。
「はっ!!……ここは?…」
「兄者!!お目覚めになったんですね✨」
「は?…兄…者……?」
頭が混乱してる中、目の前の人物をじっと見る。
頭には狼のような耳、とても鋭い爪や牙、何より尻尾が生えている。
「お前…誰だ……」
「何を言ってるんですか!!……ですよ!!!……!!」
「?今、なんて……」
「!!時間がありません……兄者、早く行きましょう!!!」
「行きましょうって、どこに!!!」
「〜〜〜!〜〜。」
声がだんだん遠くなっていく。
「おい待て!!名前は!!」
「…………はっ!!!」
ばっと布団から飛び起き、当たりを見渡す。
「ゆ……め?…」
とてもリアルな夢だった、でもどことなく懐かしい…そんな気がする。
「ん〜……むにゃむにゃ…」
「…………少し…夜風にあたりにいくか…」
龍牙は外へ行く、綺麗な星空、暗く…でも、建物の明かりや街灯の明かりで、とても輝いて見える。
「……綺麗だな…」
そう涼んで心を落ち着かせていると、龍牙の前に、黒い人物が再び現れた。
「やぁ、また会いましたね。」
「ッ!!お前は……」
「大切な人には会えたかな?随分と必死にあの子のために動いていたようだけど?」
「……お前には関係がないだろ…」
「関係はあるさ…だって、私を探していたんでしょ?」
「なぜ…それを……」
「なぜって、そりゃあ……」
龍牙の目の前から消え、後ろにサッと現れ、耳元でこう囁く。
「私にはお見通しですよ、それに…あなた達2人を、ずっと…見てきたんですから」
「ッ……」
龍牙は警戒し、1歩下がる。
「そう警戒しないでください、何もする気はないので……しかし…まさか、ショウが少し、記憶を持っていて、君は何も覚えていないのが…残念ですね…」
「記憶?」
「おっと…口が滑るところでした、まぁまだ、今は明かす時じゃありません…いずれわかるでしょう。全てを」
意味のわからないことをペラペラと喋る黒い人物……
「お前は……誰なんだ…」
「私?私は…君の予想どうり…ですよ」
「それって…つまり……」
黒い人物はそっと、フードを取る。
「えぇ……私が……"ラト"弟ショウの兄…ラト・A・ノルスハーンです、以後、お見知り置きを」
「ラト・A・ノルスハーン……」
「まぁ弟と言っても…生前……と言った方がいいかな?」
「どういう事かさっぱりなんだが?」
「ふふっ……まぁそう早まることは無いよ…いずれ全てわかることなんですし……」
「クソ……さっきから謎ばかり…」
「龍牙…君の病のことも……私は知っているよ……ここへ行きなさい、もちろん、ショウも連れてね♪」
そして龍牙はまた、あの時のように、ある地図をもらう。
「待っているよ…龍牙……私の可愛い弟、ショウを守り……無事、ここに来れるのを……」
「おい待てっ!!!」
待つ間もなく、黒い人物は消えていった。
また……謎が増えた…
「……一旦………寝るか……」
ラト、あいつは俺の病の事も知っている…
なら、行くしかないよな…
第4話【正体と増えていく謎】
━━━━━━━━━━━━━━━
読んでいただきありがとうございます✨
順調に事が進んでいますね…正直、一旦投稿ペースを遅らせる予定です💦
応援してくださり、ありがとうございます!
これからも応援をよろしくお願いいたします(o・ω-人)✨
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