ラジオについて思うこと

 ラジオをよく聴いている。朝の散歩や通勤途中、夜のワイシャツにアイロン掛けをする時間など、気が付いたらラジオが流れている。気に入ったラジオを毎週聴いていると、パーソナリティがとても近い存在に感じられて良い。家族よりは遠いが何年も会わない友達よりは近い、職場の同僚くらいの関係に思えてくる。エピソードトークも、いつものお決まりのくだりも、生活の一部に溶け込んでいる。パーソナリティがオープニングトークで、少し肌寒くなってきました、とか雪が降りそうですね、など今の気候に触れていると、同じ毎日を生きていることに励まされる。今年の春、何年も聴いてきた一本の番組が終わったときは喪失感が酷かった。ひとつのコンテンツに依存しないようにいくつもの番組を聴いている。時々、同じラジオ番組が好きな人と出会うことがある。その場で番組の良さを語り合ったりするが、でも番組を聴いているときは一人だ。リビングにあるテレビみたいに、みんなで見るなんてことはない。パーソナリティと「無数のひとり」が向き合っているラジオという形式は、なんか良いなあと思う。

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