第49話 ゲーム

「おっ!これとかなら全員で出来るんじゃね?」と悠真はみんなで出来るゲームを見つけた。


「コントローラーある?」と綾香。


「テレビ台の中にあったと思う」と僕は言った。


「おっけー」とテレビ台を開け人数分のコントローラーを取る綾香。


あっ、メガネ....。僕は一度自分の部屋に行った。


「綾香これ何のゲームなの?」と千里が首を傾げた。


「レースのゲームだよ。アイテムを駆使して一位をとるの」と綾香は簡単に説明した。


「へぇー楽しそう!」と興味津々な様子。


メガネを掛けた僕はリビングへと戻る。


そんな僕を見て千里が顔をハッとさせこう言った。


「和樹くんそれ....」とメガネを指さす。


「使ってくれてるんだ」と言い嬉しそうに笑った。


僕の取りに行ったメガネは千里から貰ったブルーライトカットのメガネだ。


「.....あっ、ああ、使ってるよ」と僕は少しキョドってしまった。


最近癖でかけるようになってたから忘れてた....。かけるようになってから目が疲れ無くなってすごい良いんだよな。


「これ和樹のコントローラー」と健吾が渡してきた。


「ありがと」と僕は受け取った。


「和樹くんこれどうやって操作するの?」と千里がコントローラーを持って近づいてきた。


「AボタンがアクセルでBボタンがブレーキ.....」と千里に説明した。


そうして全員の準備が整いゲームが始まった。


「負けないよぉ!」と綾香。


「綾香、一位は譲らねぇぞ」とニヤつく悠真。


「私、悠真には負けたことないもん」


「お前らいっつも何か争ってんな」と苦笑いをする健吾。


「千里、2カウント目にアクセル踏んだら加速して始まるよ」と僕は言った。


「2カウント目....」と千里は画面を真剣な顔をする。


『3.....2』


(───今!)と千里はAボタンを押した。


『....1』とレースが開始する。


「───あれっ!?」と千里のカートだけが爆発しスタートが遅れていた。


「ははっ、千里押すのがちょっと早かったのかな」と僕は笑ってしまった。


「もぉー和樹くんが2カウントとか言うからぁ」と頬膨らませる千里。


「ごめんごめん、でも....あんなに真剣な顔して....」と笑いが止まらない。


「笑わないでよ!」と僕の方を見て嘘っぽく怒った顔をした。


「和樹イチャイチャいてんじゃねぇよ」と悠真はアイテムの赤甲羅を投げてきた。


僕のカートはそれにあたり少し動けなくなった。


「悠真やりやがったな」と僕は真剣な顔になる。


一位が悠真、二位が僕、三位が綾香、四位が健吾となっており千里は最下位で操作になれず壁に激突していた。


「悠真お返し」と僕もアイテムの赤甲羅を投げた。


「───くそっ」


動けなくなっている間に僕は悠真を抜かした。


「お先ぃ」と綾香も悠真を抜かした。


「お前っ!」と悔しそうな顔をする悠真。


「和樹くん進めないよぉ.....」と困った顔をする千里。


「千里ならできるよ!」と集中していた僕はそういってしまった。


「ちょっと悠真!空飛んでる時に爆弾当てないでよ!」と頬膨らませる綾香。


「へっ、知らねぇよ!」とニヤつく悠真。


「あっ、キノコ出た」と健吾。


キノコのダッシュにより健吾がどんどん順位を上げてきた。


悠真をも抜かし僕のそばまで近づいてきていた。


「和樹、一位は頂きだぜ」とゴールまであと少しのところで健吾に抜かされてしまった。


マジか....。ここのアイテムでキノコ引けば....。


すると隣にいた千里が僕を軽く叩いてこう言った。


「和樹くんこのアイテム何?」


どれだ....?


僕は千里の画面を覗く。


───青甲羅だ!


「千里それ使って!」と僕は急かす。


「わかった....」と千里は言われた通りアイテムを使った。


青甲羅は一位目掛けて飛んでいくアイテムだ。


「一位は貰った....」と健吾はニヤニヤとしていた。


その瞬間───。青甲羅が健吾のカートに当たった。


「嘘だろっ!?」と驚いた顔をする健吾。


「ナイス千里!」


僕は思わずそう言っていた。健吾を抜かし僕は一位でゴールをした。


「よく分からないけど役に立ったの私」と少し嬉しそうな顔する千里。


「ああ、千里のおかげで一位取れたんだ」と僕は微笑んだ。


「そっか」とあまり理解していない様子だが嬉しそうに笑う千里。


「綾香には負けねぇぞ」

「悠真には負けないもん」


綾香と悠真が健吾を抜かしほぼ同時にゴールした。


「よっしゃぁ!俺の勝ち」とガッツポーズをする悠真。


「負けたぁー」と悔しがる綾香。


「結局俺四位じゃねぇか....」と健吾。


「あれっ!?終わっちゃった....」


全員がゴールしてしまい最下位が決まった千里のカートは止まってしまった。


千里おもしろかったかな....。と僕は楽しめているのか心配になっていた。


「次はゴールしたいなぁ」と千里はやる気満々な様子だった。


「和樹もっかい」と綾香。


そうして二時間ほど僕達はゲームで盛り上がっていた。


「やったぁー!ゴールできたよ!」と嬉しそうな千里。


「おめでと千里!」と拍手をする綾香。


「おめでと」と僕は微笑んだ。


「ありがとう」と笑顔を見せる千里。


やっぱり笑顔が一番可愛いな。と改めて思った。


「次何する?」と綾香。


「トランプとかどうかな....?」と千里。


「良いな、ババ抜きでもするか」と僕は提案する。


「やろうぜ」と悠真。


この日僕らは夜になるまで遊んでいた。

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