獄中Life 〜古の記録〜

佐原 零

第1話 一周期の朝

精霊紀62年 大陸西部 西海せいかいの経済大国

アーティフィス帝国 帝都 ル・フルール 南部

とある部隊の宿舎にて


「今日はなんの任務があるの?ガルスタ隊長?」

「…やぁ、相変わらず朝が早いね、、うん、朝が早いことはいいことだ。けれど、いつも言ってるよね?6時起床だって?(圧)」

「今日は、朝のトレーニングが早く終わったから。ついでに、ね?」

「ね?じゃあねぇよ!今何時だとおもってる!?」

「五時十五分。切り上げて、六時。つまり、起きる時間。私、朝のチャイム鳴らしてくる。」

「おい!こら!待て!どこで切り上げとるんじゃあ!!いいか、お前は、チャイムを鳴らさなくていい。とりあえず部屋に帰れ。それから、、、」

「それから、、、?」

「静かに寝ろ!」

「嫌だ。」

「寝ろ!」

「嫌だ」

「寝ろ!」

「嫌」

「寝なくてもいい。部屋で大人しくしとけ。朝のチャイムは鳴らさなくていい。絶対に鳴らすなよ!いいな?分かったな?これは命令だからな!」

「了解。隊長。」

「分かったら部屋に戻れ!」


うちの隊の問題児こと、リリは不気味な笑顔をしながら隊長室を出ていった。それから、三分ほどたってから。


パァーン パァーン パァーン♪


と聞き覚えのあるチャイムの音色が響き渡る。そして、隊長は、左手に剣を持ち、ゆっくり、静かに宿舎の中央階段を登って屋上を目指す。その階段からは、怪人のオーラが佇む。屋上に着くなり、目標物リリに狙いを定めて突進。そして、目標物に当たり、鈍い音がする。もちろん鞘は抜いていない。


「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙〜 いだいーー!!」

「このバカが!鳴らすなと言ったろ!?」

「隊長三回鳴らすなと言った。つまり、鳴らせという事!」

「ドヤ顔して言うことやないやろ!そのネタ大昔の御伽話やん。お前あとから、公開処刑な。覚悟しとけー!」

「そ、そんなぁーー〜!」

「当たり前やろ!お前は昨日、別任務やったけど、隊のほとんどは昨日、水害の片付けで、みんな疲れてんの!少しは考えろ!」

「はぁーい」


リリはつまらなそうな顔をして返事をした。


「分かったら、部屋に戻れ!」

その後、リリを部屋に戻して、6時まで寝た。


_______午前6時10分______

宿舎の食堂にて、


「たい、大変申し訳ありませんでした〜!」

「誰かと思ったら、お前か!俺は、あの後寝れなかったんだよ!隊長こいつ殴っていいですか!??」

「俺が一発やったから、リフデン、殴ってやるな、」

「まぁ、まぁ、今日は、めでたい日ですから、そんなに怒らないでください。」

「そうだ!今日は隊の設立記念日ですね!昨日が地獄すぎて、忘れていました。」

「そ、そうでよ!皆さん!リナの言う通りですよ!そんな朝のことなんて忘れて、準備しましょう!」

「お前罰として、宿舎全体の掃除な。」

「ふぇぇ!!!私が掃除が無理なのを知っていて言ってるの!?隊長!?」

「あぁ、ちなみに、終わるまで、お前はパーティーには、参加出来ない。」

「え、、ちょ、了解しました、、」


リリは今にも泣き出しそうだ。


「よっし!とりあえず、朝食食べたら、役割分担な!」


「「「はい!」」」


アグニール隊についてここで説明しよう。

アグニール隊の主な任務は帝国に潜むテロ組織を潰すことだ。

隊員は合計100名、、、だった。

今日で、設立一周年だか、今の隊員数は25名だ。

20名をきれば、隊の解体か、人員補充がされる。だけど、解体はごめんだ。みんなそう思っている。

この隊は、左遷された人間の集まりだ。ほとんどは、規律破りや上官に反抗した者だ。他の隊に行ってやっていけるはずがない。

みんな、国とか、軍隊とかどうでもいい。仲間と、家族のために戦う。故に、皇帝一族に頭を下げない。私も下げたことがない。

ちなみに、私は、殺人で左遷された。上が出した結果は、相手が100%悪いが、殺すのはやりすぎだ。というものだった。それで、当時作られたこの隊に左遷された。

私は、この隊、みんなが好きだ。

私情はここまでにしておいて、隊の説明に戻すと、


隊長はリビン・ガルスタ

ちなみに、リビンが性だ。

副隊長は、ガイリス・フォーデン

副隊長は、この隊で、唯一左遷されていない。なのに、なぜガルスタが隊長なのかと言うと、実力だ。

隊の練習では、フォーデンはガルスタから、一本も取れていない。なんなら、他のメンバーからもほとんど取れていない。なのに、なぜ、副隊長の座についているのかと言うと、初代副隊長のやつがやらかして、階級を落とされたからだ。

ちなみに、初代副隊長は、ドライア・リリだ。リリは、一日で落とされた。貴族と口論をして、実力で、黙らせたらしい。それが失礼に当たるとして、辞めさせられた。そして、この隊で一番の常識人のフォーデンが選ばれた。ちなみに、常識人だが、皇帝一族には、頭を下げていない。フォーデンは、隊の創設式は仮病でサボった。

最後に、この隊は、左遷された、云わいるヤバいやつらの集まりだが、実力だけは、認められている。この隊の死者は、75名だが、戦死は、0名ほどだ。じゃ、75名はどうなったかと言うと、ほとんどが、処刑された。帝国にだ。罪状は、知らん。

けど、恐らく、海賊に狙われたのだろう。詳しくは、また今度。25名になってからは、11ヶ月間死者を出していない。任務数と死者を照らし合わせると、少ない方だ。だから、この隊が、誇れるのは、そこだけた。説明はこんな感じかな。

____________________

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…なんで、うちがこんな事しなあかんの?」

「おい、それは、こっちのセリフなんたけと、リリ?」

「それは、リフデンが悪い。私が、つぶらな瞳でみつめていたのに、助けてくれないから、隊の食料備蓄品をパクったのを暴露した。」

「くっ、お前とパクらなければよかった。悪魔め!」

「ふん!好きなように言えばいい!なぜなら?もう、遅いからだ!HAHAHAHA!」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!とっとと終わらせるぞ!リリ!」

「エイエイサー!」


そう叫びながら、二人は、部屋の掃除をする。


「ほんとに、あの子は、元気ですよね。フォーデン、」

「あぁ、けど、あのくらいがちょうどいい。そう思わないか?リナ?」

「そうね、この方が生きている感じかするわ。」

「さて、僕らも、ガルスタ達が帰って来る前に終わらせるか!」

「ええ!」


こちらも元気に飾り付けをしている。

ちなみに、ガルスタ達計10名は街へ、買い出しだ。私は、一応サボりではない。隊長から、宿舎に残る、14名を見張っとくように言われた。それ以外は、何も言われていない。だから、こうやって、観察をしている。けれど、他のやつに、キレられそうだから、手伝いに行こうと思う。

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いつになるかは、分かりませんが、いずれか、アグニール戦記、第2話を投稿します。

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