本当の〝キス〟

二宮みぃ。

事故の〝キス〟



「............んっ、」




一瞬、〝何が〟起きたのか分からなかった。




私、長谷川雅音(はねがわまさね)の。




くちびるに触れた柔らかい温もり。




思考が停止すること3秒ほど。




状況を呑み込むのに時間がかかった。




「............っ、潤希、だよ.........ね?」




確認するように、

目の前の人物に向けて言葉を出した。




「うん。正真正銘、マジで俺」




そう答えるのは、私の幼なじみの男の子。




名前は、五反田潤希(ごたんだじゅんき)。




潤希はひと言で言うと〝遊び人〟




しかも、どんな女の子にでも、

〝キス〟をしてしまうほどの遊び人。




遊び人だけど、今まで...............




私とは、〝キス〟したことがなかったから。




正直、驚きを隠せなくて...............




「...............、どういう意味でしたの?」


「んー、あー、これは事故の〝キス〟だから」




私が尋ねると、事故の〝キス〟と言ったのだ。

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