第2話 5歳の誕生日に

5歳ともなると少しは会話ができるようになった。

そして今日は普段忙しい父も節目の祝いということでゆっくり話す機会があるとメイドのマリーが言っていた。

ちなみに母はノエル、父はフレッドと言うらしい。



そしていよいよ俺の誕生日が始まるようだ。

「あーーーるぅぅぅ」

叫びながら俺に駆け寄ってきたのは白髪赤目のイケメンだった。

お察しの方もいるだろう......父だ

「お父様暑苦しいです」

「アルが辛辣だ!ノエル!これは反抗期か!?」

全く騒がしい父だ、しかし前世ではあまり良好とは言えない親子仲だったのでこういう戯れも俺には心温まる瞬間なのだ。

「アルが困ってるでしょ〜」

「マ、マリーは反抗期だと思」

「いえ、アル様の言う通りかと」

「そ、そんなぁ」

「フレッド、それより今日はアルの5歳の誕生日よ話さないと行けないことが沢山でしょ」

「ん"ん"、よし」

先程までの甘い声から一変その爽やかな声にはイケメン過ぎて羨ましくなる。父の声帯はどうなっているのだろうか。

「アル、大事なお話というのはね、私の仕事とお前の立場のことなんだ」

立場というと随分とお偉いさんっぽいし、跡継ぎなどの話だろうか。

「アルは三男なんだよ、上に2人兄がいるから家を継ぐ必要は無いが自分で自分の生きる道を見つけなければ行けない、どこかの娘さんと結婚するかそれとも自分で仕事を見つけてそこで生きるか選択肢は無限大だよ、だからこそアルには色んなことを学んで欲しい。」

ほう、俺は三男なのかそして家を継ぐ必要がないということは俺はここをいずれ出ることになる可能性があるということだろう。

なら、俺が今すべきなのは常識を知り、生きる力をつけることだろう。

「分かりました、では手始めに家の本を読む許可が欲しいです。」

「え......」

「フレッド許してあげたらどうです?もう5歳ですし」

「いや、読むのはいいのだがその前に字を読むための教師をつけようかと思ってね」

「いえ、必要ありませんもうだいぶ字が読めるようになりましたし分からないところはマリーに聞こうと思います」

「も、もう字が読めるのかい!?」

「あら、伝えてませんでしたか?」

そうか、俺が産まれてから父はだいぶ忙しかったようだし知らないのも無理は無い。

「そ、そうかなら字の教師には断りを入れておこう

それ以外にもいくつか学びたいなら教師を付けようと思っているんだここから選べるかな」

そう言って父は1枚の羊皮紙を渡してきた。

歴史、魔法、剣術、算数、音楽、ダンス

と書かれていた。

「では、歴史と魔法、そして剣術を習いたいです」

「ほ、本当に読めるのか......」

どうやらまだ信じきれていないようだ。


しかし俺はそんなことは頭になく、魔法という言葉に心が踊っているのだった。

「ふむ、魔法に剣術と歴史か」

「適正検査とステータス鑑定を依頼しておこう、そうだな来週の月の日を開けておきなさい」

適正検査?ステータスは何となくわかるが適正検査とはなんだろうか。

「適正検査やステータス鑑定とはなんでしょうか」

「適正検査は得意魔法を調べる検査だ、ステータス鑑定は簡易的な自分の能力を表示してくれる」

ということは使える属性という訳では無さそうだな全ての属性を練習すれば使えるのか......?

「得意属性でない魔法は使えるのでしょうか」

「あぁ、使える、だが得意魔法を極める方が一般的には強いとされているな」

「そうなのですか」

「しかし、もし本当に魔法を頑張ろうと思えたなら、他の属性も練習しておくといい複数の手札が合って困ることは無い」

確かにそうだな得意魔法を頑張りつつ他の属性も練習しよう幸い俺は5歳なんだいくらでも時間はある。

「分かりました」

「世の中には特殊な魔法もあるようだが得意属性にそれが現れない限りまだ勉強をしなくていいだろう」

そのあとも魔法のことやどうやって教えて貰えるのかを聞いた。

どうやら少し位の高い冒険者を雇うそうだ。

そして歴史については先生を雇い教えてもらうというてはずになるはずだと教えて貰った。

属性は火、水、土、風の基本4属性と光と闇の2属性

そして基本四属性をある程度使えるようになるとそれぞれ少し違った魔法を使えるようになるらしい。

父の友人はかなりすごい魔法使いで国のあちこちを飛び回っているそうだが魔法は無限の可能性だぁ!が口癖だったそうだ。

俺は今から魔法を使えるのが楽しみで仕方なかった。

来週の月曜日が楽しみだな〜



「せっかくの誕生日なんですから魔法の話ばかりじゃなく家族で話したらどうですか?」

「そうだなマリー」

「アルはいつ字が読めるようになったんだい?」

「最近ですね、本当に最近やっとひとりで絵本などが読めるようになった程度です」

「そうか、いやぁ、びっくりしたよまさか、息子がこんなに賢くなってるなんてね!敬語も使えているし」

「マリーに教わったんです、いつも本当にお世話になってます」

「そうかそうか、世話係をマリーにしてよかったよ」

そんな、和気あいあいとした話が続いていく。

俺は言葉に出来ない幸せを感じながらその時間を大切に大切に過ごした。










どうも作者です!

少し投稿が遅れましだがこれからもまだまだ頑張ります。

魔法に関してはとりあえず、基本の属性だけを紹介しました!他にも付与術とか色々あると思いますが、それはその都度紹介で出して行ければなと思います。

フレッドがあまり沢山教えても覚えきれないだろうと基本属性だけを教えたとでも思っておいてください。

父の優しさってやつです。


それではまた!

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