闇の使い
星たちが静かに瞬く夜
雲が流れ
月が翳り始めると
そこに現れるのは
闇からの使者─悪魔王子
夢の中に侵入出来るスキルを持っている
邪悪な悪魔は
人の心を鷲掴みにして
鍵の付いたガラスケースに入れ
彼のコレクションとして
棚に並べられる
心を吸い取ることが悪魔王子の仕事兼趣味
眠っている私に
次から次へと
呪いの呪文を唱える
「助けて!!苦しいよ~」
目が覚めた私は
人形になっていた
自分の意思では動くことの出来ない
奴隷のような存在に
『これで、やっと666個目か──』
怪しい目を光らせて
悪魔王子はニヤリと嗤った
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