魔鏡

森の中に、ひっそりと静かに佇む

古びた洋館がありました。


その中に入ると

螺旋階段があり、

登った先にあったのは

秘密の小部屋


ギィーーツ!


扉を開けて中に入ってみると

三日月型のテーブルの上に

手鏡が置いてありました



けれど、───



決して触れてはいけません

決して見てはいけません

その鏡を見たならば

呪われてしまうのです。

この世のものとは思えない

世にも恐ろしい魔物が

鏡の中に潜んでいるのです。



不思議な鏡を

映すのは

見ているあなたの願望を

叶えるもの

聴こえてくるのは

呪いの呪文



映して知るのは

誰かの想いではなく

あなた自身の想いです

騙されてはいけません

それがヤツの巧みな策略であり

罠なのです




そうやって

魔物はあなたの心の隙間に

入り込み

あなたを弄び

それを見て満足しているのです



いちど嵌まると

やめられず、止まらなくなる



そうして墜ちたら最後

崩壊するしかありません


二度と世界に

戻れなくなってしまうのです


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