9話「からかい上手の早乙女さん」

「お腹も空いたしご飯にしようか!


「はい!良い物も買えたので一気にお腹空きました!」


「何か食べたい物ある?」


「うーんそうですねぇ‥先輩はなにか食べたいものありますか?」


「ハンバーガーかハンバーグかなぁ〜」


「そうしたらここどうですか?」


「お、いいね!!」


丁度近くに美味しそうなハンバーガー屋があった。

こうして俺らは昼ごはんを食べに来た


「いらっしゃいませ〜って優希ゆうき??」


そこには見慣れない制服姿のつばさが立ってた?


「あれ、もしかしてここって翼のバイト先?」


「そうだよ!、連れは友達?」


「そう、同じ裏高の1年の早乙女さおとめさんだよ」


「俺、優希の友達の翼よろしくね早乙女さん!」


「あ、その、よろしくお願いします。」


「注文はどうする?」


「じゃ俺はAセットで!」


「わ、私も同じので!」


「了解〜店長、この2人友達なんで安くしても良いすか?」


「いいよ〜」


「じゃ2人で千円です!」


「なんか今日まけてもらってばっかですね!」


「そうだね、ついてる日なのかな」


「はい、丁度いただきました〜そこら辺のテーブル座っててくれれば持ってくよ!」


店内は海外のレトロなおもちゃなどが沢山あって遊び心のある内装だった


「先輩、今日は本当ありがとうございます‥もう幸せな1日すぎて、なんで言えば良いか分からないぐらい!!」


「それなら良かった!今日は天気も良くて本当よかったよね」


「それで、お兄ちゃんに会う前の話ですけど、先輩がよければ、優希って呼んでも良いですか?」


その話か、お兄さんが衝撃的すぎて忘れてたぞ‥


「別に良いよ!好きに呼んでもらって!」


「じゃあ優くん?」


「それは恥ずいから却下」


「えー!好きに呼んで良いって言ったじゃないですか〜」


「なんか恥ずいもん!優希で良いよ!」


「だから優希は私の事、もえって呼んでほしいな?」


また俺はからかわれてるのか‥


「また俺をからかって〜」


「いや、私は優希にそうやって呼んで欲しいです‥」


彼女からは意外な反応が返ってきた。


「お待たせしました〜Aセット二つです!ごゆっくりどうぞ〜」ニヤニヤ


何故か嬉しそうに翼がこっちの方も見ながら言ってきた。


「面白い人ですね翼先輩‥」


「あいつは昔から人のそういうところが好きなんだよ‥」


あいつめ、次会った時なんて言おうか‥


「私、実は中1の頃に先輩に告白されて次会った事あるんですよ‥」


「え?」


そうして彼女は昔の話を始めた


「その先輩は学校でも結構人気者で私、中学までバスケやってたんですけど

その人男バスの人で、そんな人に告白されると思わなくて嬉しかったんですよね!

実はその人から音楽とか教えて貰って、私すごく好きだったんですよ。

で、私その人の誕生日に手編みのマフラー渡したんですよね、下手くそでも気持ち伝えたくて。

でも渡した時に手編みとかダサいし要らないって言われて、それよりキスしたいって言われて、私怖くてそのままその人と別れたんですよ。

それでなんで別れたのとか、有る事無い事言いふらされちゃって

その事お兄ちゃんに相談しちゃったら、その人にお兄ちゃんめちゃくちゃ怒って、そこから男も女の人苦手なっちゃったんですよね。

だから高校入ってからは男の人とは全く話してなくて、だから本当は舞さんが無理に話してくれた事は嬉しかったし、つい財布見て口にしちゃった時はやっちゃったって思ったんですけど、それが優希でそれが良かったなって。

すごく優しくてもしかしたら優希なら私のこの人間恐怖症みたいなの少しずつ薄れてくかなとか思って、

なんか利用しちゃったみたいになっちゃったんですけど、FINEしたり昼休みに話してくうちに優希の優しさに甘えさせてもらいました。

だから本当はめちゃくちゃ優希に感謝してます。」


やっぱり、彼女は昔の俺だ‥

でも昔の俺と違って前に進もうとしてる‥


「手作りのもんとか馬鹿にされるのって絶対許せねぇよな‥

てか俺は昔から何かを作ったこともない奴が馬鹿にしてくるのが許せないんだよ。

行動してないやつがいろいろ言うのって本当に許せないって言うか‥ってごめん話しすぎちゃったな‥」


そう言ってつい、頭を撫でてしまった。


「萌の気持ちちゃんと話してくれてありがとう。」


そうだよな俺も高2なんだし前に進む時が来たのかな。


「だからこれからもよろしくお願いします。」


「うん。俺なんかでよければいつでも話聞いてあげるよ。」


今にも泣きそうになりながらも彼女は我慢してしまった。


「すいません、長話してしまってハンバーガー冷めちゃうので早く食べちゃいましょ!」


「そうだな。」


彼女は過去の話を明かしながらもハンバーガーを頬張っていた。


モグモグ‥


「ご馳走様でした。」


「食べるの早いな‥」


「はい!なんか色々話したらスッと軽くなってバクバク食べちゃいました。」


「じゃそろそろ行こうか!」


「翼ありがとな!また学校で」


「翼先輩ありがとうございました。」


「おう!ここもいつでも食いにこいよ〜俺の店じゃねぇけど!」


こうして俺らは店を後にした。


続く

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