小型熱帯魚辞典(混泳)

八雲ヨシツネ

熱帯魚飼育とは?


 本誌における熱帯魚とは、外国生まれの淡水魚を指す。

 そんなサカナを水槽で飼おうというのが熱帯魚飼育。


 なに難しいことはなく、金魚やメダカの世話と多くは変わらない。変化といえば、必ず水槽用ヒーターを用意して水温を一定に保つこと。この点のみ必須事項。金魚やメダカならば冬場は動かずに耐えることができるが、熱帯魚の多くはそれができない。それもこれも総称に「熱帯」とは付くが、寒さに弱く暑さに強いわけでもない。日本の殺人的な猛暑に熱帯魚は対応できず、そもそも四季の気温変化に対応できない。


 また、濾過ろか装置も例外を除いた、ほぼ全ての熱帯魚に必要といえる。

 濾過装置、あるいはフィルター。この設備があることで水槽内の不要なモノを回収し、水槽の汚れや水質の悪化を防ぐ効果がある。これがあることで金魚やメダカ飼育の定期的な水替え作業より熱帯魚飼育の方が楽だと感じる人もいる。というのも、小型熱帯魚飼育と濾過設備の組み合わせは水が汚れにくく、日々のエサやりの際に減った水槽の水を少量足すだけで維持管理が完結する手軽さが大きい。あとは時折濾過装置の汚れ具合を確認して手入れすれば終わる。もっとも、最近では金魚やメダカ飼育にもヒーターや濾過装置が一般化しているが。


 さて、これらから熱帯魚飼育における初期設備費用は、水槽台を除けば水槽や設備諸々で1万円ぐらいから始められると思う。特に熱帯魚を観察しやすくしつつ、水草やバクテリアの光合成に必要な照明設備。これはLED照明が一般化した現代においては、卓上ライトを水槽上面から照らすだけでも十分な効果が得られる。なにより私が思いつきで始めてそのまま落ち着いている。特に問題もない。安上がり。 


 最後に、熱帯魚……というよりサカナ屋内飼育全般のハードルは水槽台。

 小型熱帯魚飼育ならば、専用の水槽台だけでなく、普段使いするテーブルや学習机などでも代用は可能。一方で、小型熱帯魚といえども90cmクラスの大型水槽での飼育は専用の水槽台が絶対に必要であり、さらに設置床面に荷重分散用のコンパネ(追加床材)が必要になったりと、費用も跳ね上がるので注意。これには水槽本体の重量や設備重量の他に、水槽内の水そのものの重量に水槽台が耐える必要があるため。これは災害時に破損するかしないかに直結する。

 

 なので、小型熱帯魚飼育であっても水槽台の費用に関して予算は掛けられるだけ掛けた方が良い。代用水槽台であっても水槽の総重量に耐えられるか確認できる資料がある方が望ましい。一応の目安としては痩せた大人1人が普段から突っ伏したり、腰掛けても変形しない木製や金属・コンクリート製のモノなら25ℓ程度の水槽容量ならば水槽台として使えると思う。それでも耐荷重がはっきりと分かる資料は欲しいのと、何よりも専用水槽台の使用が望ましい。

 





 

 

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