かぐや姫【続】
ゆりゆり
短編
「おかえりなさいませ、姫」
「ただいま、セバスチャン」
私は月の城に住んでいる姫。住民からは氷姫と呼ばれている。あんまり笑わない姫だから。
「地球はいかがでしたか?」
「......悪くなかったわ」
「なにか、ございましたか?」
「別に...何もないわよ」
やっぱり月はつまらないわね。
私は地球に住む人を愛した。
彼といる時は心から笑えた。
いつか地球に戻るといったけど、そんなことはきっともう無理だろうな。
謝れなくて申し訳ない。
月は楽しくない。もういっそ死んでしまおうかしら。
「ここは7階。ここからとび降りれば確実に死ねる。」
地球に転生......できるかもしれない。
私はスリッパを脱いで、窓から身を投げた。
きっと彼に会えますように。
また、きっと。
*:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙*゚
かぐやが月に戻ってから1週間。
俺は生きる意味を失っていた。
今死んだら月に転生してかぐやにしれない。
俺はキッチンに向かって、包丁を取り出し、自分を刺した。
きっと、かぐやに会えますように。
また、きっと。
:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩*゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙*゚
私は地球の普通の女の子に転生した。
これからあの人を探す。
「頑張らないと!」
なんて最初は思ってた。
でも、何年探しても見つからない。
数週間後
彼を見つけた。見つけたというか、彼はもう死んでいた。
もし私が死なずに待っていたら...。
:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙*゚*:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙
俺は月の王子に転生した。
これからかぐやを探す。
彼女は姫だからすぐ見つかるはず。だって思ってた。
彼女は既に死んでいた。
もし俺が死なずに待っていたら...。
*:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙:゚ 。.☆. *✩⡱:゚*·̩͙*゚
あの人に会えたのかもしれない。
かぐや姫【続】 ゆりゆり @yuriyuru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます