第24話 女の勘

しばらく四人でお茶会を楽しんでいると…




母上「あら?お父さんかしら…ちょっといってきますね。」




国王からの呼び出しが入り、一旦お茶会を抜ける。




サヤ「ふふ…レド、なにかあったの?」




レド「え、なんでわかるんだ…?」




いきなりの質問にレドは驚く。




サヤ「女の勘だよ!それで…何があったの?」




レド「その…リナと会ったんだよ。宮廷に研修で来てたみたいで…サヤが会いたがってたって言ったら喜んでたぞ。」




サヤ「本当?私も嬉しいな…会えるといいんだけど…」




リナに会いたがるサヤをレドが誤魔化す。




レド「忙しいって言ってたから会えないと思うが…」




サヤ「そっかぁ…ちょっと寂しいな…」




サヤの殺害を試みたこともあり、レドはリナのことをあまり良く思っていない。




自身も刺されたことだし仕方ないだろう。




サヤ「あ、ナラ…紅茶のおかわりを…っていない…?」




辺りを見回すがナラはいない。




レド「なんか聞いたことあるぞ。仕えている主人とその伴侶が二人きりになれるよう配慮するって…」




二人は少し緊張した様子である。




結婚式前ということもあり、忙しくて二人の時間がを取れていない。




サヤ「その…レド…最近キスしてない…よね?」




レド「そう…だな…したいのか…?」




ド直球に聞くレドにサヤは顔を隠す。




サヤ「………したい…」




隙間からレドを覗き、呟く。




レドも思わず胸を貫かれる。




レド「サヤ…頼むから、それ他の男の前でやるなよ…?」




サヤ「え…なん…」




返事をして顔を上げたところに、レドからキスをした。




そのまま柱に壁ドンする。




サヤ「………レド…?」




レド「どうした?」




サヤ「私もレドの言ったこと守るから、私以外に…これやらないでね…?」




こちらの顔を伺うように、見上げて言うサヤを抱きしめる。




レド「しないに決まってる…サヤのことだけを愛してるんだからな…」




そのまましばらく抱き合い、二人の時間を満喫した。




サヤ「もうすぐお義母様帰ってくる…よね…?」




レド「そうだな…この現場見られたら茶化されそうだ。」




少し名残惜し気に、二人は手を離す。




サヤ「早く結婚したい…」




レド「婚約自体は結んでるし、伴侶にはなってる…のか?なんにせよ、早く式挙げたいな。」




席に着いて、残った紅茶を飲み始めると…




母上「もう、ナラさんてば面白いのね!」




ナラ「いえいえ…王妃様こそ、ユーモアがあって会話していてとても心地いいですわ。」




二人がこちらに歩いてくる。




サヤ「あ、ナラ…気遣わせちゃってごめんね…?」




すると満面の笑みで、




ナラ「なんのことでしょうか?私は王妃様と話に行ったんですよ。さ、紅茶のお代わりを淹れますから…」




その後もナラの紅茶を楽しんで、お茶会を終わりにした。




母上「サヤさん、ナラさん…どうもありがとう。私たちは王宮に戻ります。それと…もうすぐ二人での生活が始まるから、荷物の整理なんかを済ませてね。」




サヤ「あ、もう終わってるんです…待ちきれなくて…」




母上「あら、それならもう来てもいいんじゃないかしら?結婚式は半月後ですし…」




サヤ「え、いいんですか…?私の都合で前倒しになってしまいますが…」




サヤが遠慮するも、母上はぐいぐい来る。




母上「いいのよいいのよ!明日、馬車の手配をしておくから…」




サヤ「ではお言葉に甘えて…お願い致します。」




お義母様のおかげで、二人での生活が少し早まった。




二人はこの先、うまくやっていけるのか…?

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