第23話 鉢合わせ

母上「ドレスは決まったわ。でもレドは見ちゃ駄目よ。楽しみにしないとね。」




レド「早く見たいです…あ…」




リナ「あ…」




なんと、宮廷に研修で来ていたリナと鉢合わせしてしまった。




リナ「…その節ではお騒がせしてしまい、大変申し訳ございませんでした…」




レド「いや、もう過去のことだ。忘れていい。そういえば、サヤが会いたがってたぞ。」




リナは驚きを隠せずにいた。




リナ「本当ですか…?とても…嬉しいです…でも、私に会う資格はありません。喜んでいたとお伝えしてください。それでは…」




深々と頭を下げ、リナは去っていった。




母上「あの子も変わったわね…もうこっちに来て何年かしら?」




レド「五年ほどでは?…たくましくやっているようでよかったです…」




そして、また結婚式のことについて話し始めた。






サヤ「ナラ、ちゃんと着れてるかな?」




サヤは、レドの母が決めたウェディングドレスの合わせをしていた。




従者として合格したナラの練習も含めて。




ナラ「サヤ様…すごくお似合いですわ!さすがレド様のお母様ですね!」




サヤ「うん…すごく綺麗なドレス…このままで大丈夫そうね。」




ウェディングドレスを脱いで、普段着のドレスに着替える。




サヤ「このドレスをレドの前で着るのが楽しみね…!早く結婚式にならないかしら…」




ウエディングドレスの合わせが終わったところで、お昼をいただく。




サヤ「えーと…ナラ、紅茶をくれる?」




サヤもナラが従者になるということに慣れていないので、少しギクシャクしている。




ナラ「はい!サヤ様…どんな紅茶がよろしいですか?」




サヤ「フルーツの香りがするものがいいわね…お願いできる?」




そう言うとナラは慣れた手付きで紅茶を準備し始める。




五分ほどすると…




ナラ「できました!お召し上がりください!」




サヤ「ありがとう。いただくわね…」




そっとナラの紅茶を啜る。




サヤ「…すごく美味しい…ナラは紅茶名人ね!」




ナラ「ビシバシ仕込まれましたからね!メイド長のお墨付きですから。」




サヤ「!!あの厳しそうなメイド長さんの?すごいわ…!」




ナラの練習具合は半端ではないようだ。




そこへ…




レド「…お茶会中だったか?」




レドと母上が来る。




サヤ「お義母様、どうも…ふつつかな嫁ですがお願い致します…」




母上「あーサヤさん!会いたかったわ!あのドレスどうだったかしら?」




サヤの元に行き、抱擁をかわす。




サヤ「わ…すごく綺麗なドレスでしたわ!ナラも言っていたんですよ。」




母上「あら、ナラさんも?嬉しいわぁ…!あれにしてよかった!」




レド「サヤたちだけで会話しないでくれ…疎外感を感じるぞ…」




少ししょんぼり気味なレドをサヤが慰める。




サヤ「あ、レドごめんね。でも、本当に綺麗なドレスだったの…楽しみにしててね!」




満面の笑みで言うサヤにはレドも勝てず…




レド「ああ、楽しみに待ってるよ。そうだ、俺にも紅茶をくれないか?」




四人でお茶会を始めるのであった。

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