第7話 灰への道程
《いえ、確かに運は良かったです!》
意味不明なエバの声を、五体の巨人の咆哮が掻き消す!
群がり寄る巨体が、ケイコのカメラを圧した!
《ケイコ今だ、ゲロゲーロ!》
声の届かないエバに代わってカエルが叫ぶや、巨人の群れに向かってケイコが何かを投げつけた!
炸裂する閃光!
(爆弾!? ――違う!? 眩しいけど音がしない!)
でも知っている!
これもレンゲに聞いて知っている!
光が収まったときそこには、五体の醜悪な表情を浮かべる石像が立っていた。
牙を剥き出しにし、大人の人間ほどもある剣を振り上げた、異形の立像。
《どうやら “
真に迫る巨大な石像たちを見上げて、ケイコが言った。
「やっぱり!」
レンゲが言っていた罠だ!
『うおおおおおっっっ!!! 鳥肌立った!!!』
『やった!!! すげーーーっっっ!!!』
『ケイコ、大逆転!!!』
『まさかの “魔術師殺し” !!!』
『そんな手があったとは!!!』
『これは予想できなかった!!!』
『Excellent!!!』
『ura!!!』
『エバさんの一番弟子!!!』
『ソレダ!!!』
『まさしく!!!』
チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪
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チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪ チャリン♪
「想定してたの?」
《ある程度は》
わたしのコメントに、エバがうなずく。
飛び込みとは言え依頼者のコメントには、優先して答えてくれる。
《以前社長さんがこの階で大変な目に遭っていますので、“
単体の対象に遅効性の毒状態にする “
広範囲に遅効性の毒をまき散らす “ガス爆弾”
単体の対象に物理ダメージ与える “
火薬を使って広範囲に火炎と破片による物理ダメージを与える “
単体の対象を麻痺させる “スタナー”
範囲内の物質を他の空間に転移させる “
魔術師系の呪文を使う相手を無力化する “魔術師殺し”
聖職者系の加護を使う相手を無力化する “
けたたましい音を鳴らして魔物をおびき寄せる “
ケイコさんにはこれらのうちのいくつかを携帯してもらっています。上手く扱えば大きな成果を得られるでしょう》
淀みなく説明するエバ。
《“食人鬼頭” は第八層では頻繁に
「……」
最高難易度といわれる
でも感心や賞賛といった想いよりも違和感……もっといえば畏れを抱いた。
エバにしろケイコにしろ、とても同じ人間には思えない……。
《隣が空き家なうちに先に進むよ》
スマホから響いたケイコの声が、わたしを現実に引き戻した。
カメラが移動し、ケイコが隣の玄室に移る。
相変わらず慎重な動きだ。
《“食人鬼頭” が
『北西の北と南東の南に扉がある玄室』or『北東の東と南西の西に扉がある玄室』
レンゲがいる可能性が高い五つの玄室のうちの、ふたつ目。
ケイコの言葉どおり、室内にレンゲたちの姿はない。
『まさか、もう食われたあとじゃ……』
「馬鹿なこと言わないで!」
無神経なコメントに、カッと怒鳴る!
『マキオからの映像はどうなってるの?』
『バッテリー節約で、今は止まってる』
『無事なら生存報告を兼ねた定時配信が、あと少しで始まるはず』
《遭難から三日以上が過ぎて、食料も飲料水も残りわずかになっているはずです。
その直後、エバの危惧は現実のものになった。
◆◇◆
《マキオだ。これから定時配信を始める。
みんな、落ち着いてきいてほしい。どうやら俺たちはエバ・ライスライトに見捨てられたようだ。
彼女が合流するのを待ってみたが、現れる気配はない。
そろそろ食料も水も底を突く。
だから動けなくなる前に、俺たち自力で脱出を試みる。
困難な道のりになるだろう。
だが心配はいらない!
必ず俺が仲間たちを全員地上に連れ帰ってみせる!
俺はこれまで迷宮で、様々な経験を積んできた!
俺には沢山の引き出しがある!
その引き出しを使えば、必ず生還できるはずだ!
これからその一部始終をLIVEで配信する!
――さあ、行くぞ! “ディヴァイン・ウィンド” 、出発だ!》
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ご視聴、ありがとうございました
第一回の配信はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16817139558675399757
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エバさんが大活躍する本編はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16816410413873474742
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実はエバさん、リアルでダンジョン配信をしてるんです!
エバさんの生の声を聞いてみよう!
https://www.youtube.com/watch?v=k3lqu11-r5U&list=PLLeb4pSfGM47QCStZp5KocWQbnbE8b9Jj
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