鯨さん SNS、コーヒー、怪物

へびづかすず

第1話

その日は別に、いつもと変化などなくいつもの時間にアラームを止めてお湯を沸かす。

コーヒーを飲みながら日課のSNSチェック。

お客様との会話には新鮮な話のネタを仕入れておく必要がある。


数時間、あるいは、数分の間につぶやかれたツイートがTLに流れる。

流し読んでいるとチラホラと怪物だの、化け物だの、SFだの…何かの映画だろうか?という単語が出てくる。

コーヒーを飲み終えれば、丁度家を出る時間になる。

携帯を閉じて、身支度を整えた。



靴を履いていると、ため息が漏れた。

退屈な一日の想像を振り払うように、勢いよく家を出た。



「妙に人が少ないな……」


先程から人とすれ違わない。いくら朝の6時台とはいえ、一人も人がいないなんてあり得るだろうか?


駅前の長い信号を待つ。

右側から車の音が近づいてきた。

なんだ。たまたまそんな日だっただけか、と、安心して右を見る。

法定速度を楽に超えている車を、巨大なナニカが追走していた。



「………は?」

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鯨さん SNS、コーヒー、怪物 へびづかすず @hebizuka_suzu

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