詩集『燻っていた熱』

ヒニヨル

『燻っていた熱』

私は衝動的だ。

そっと秘めておけば

良いものを


背中を突風に

押されたような気がして

筆を執ってしまった。


過去なんて

遠くなるほど美化される


あの時の終わりに、

悲しみや憎しみや

辛さを味わったはずなのに。


自分に酔った世界で

また胸を締めつけて

恍惚感に浸る。


すっかり忘れていた

気持ちが振り返って

まるで厨二病。


もうイイ大人なんだから、

再発させないように。

そう律しながらも、

「恋愛」小説では物足りない

自分を持て余している。



     Fin.

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