スカーレットの朝食

第1話

10日未明、小山市内のマンションで住民男性が死亡しているのが発見されました。上半身には刺されたような傷があり、警察では事件に巻き込まれた可能性もあるとみて死因を調べるとともに、近隣の住民などから詳しい状況を調べています。

◇

「たっだいま～」

家路についた私は寝る前にご飯を食べる。

寝ると言ってももう朝なのだけど。お仕事が深夜になることが多くて大抵は朝帰りが多い。

出かける前に食べたご飯の残りがあるからこれをレンジでチンして後は納豆かしら。

納豆には卵を入れよう。何か最近聞いた話だと納豆に卵を入れるのは栄養の吸収によくないとかあるみたいだけどやっぱり卵は入れたいものね。

卵は卵黄だけ派の人もいるみたいだけど私は卵白も好き。だけど卵白が多いとそれはそれでシャバシャバするので卵白は少なめかな。残った卵白は後でスープの具にでもすればいい。

チーン

よしご飯が温まった。後は納豆を混ぜるだけ。私は納豆は混ぜすぎないのが好きなんだよね。昔有名な美食家かなんかが納豆を100回混ぜろとか言ったせいで通ぶった人達がたくさん混ぜるのがいいとか語るたびに少し悲しい気持ちになる。奴らに味なんてわからないのよ。ただ権威に弱いだけ。

そうこの国にはもうそういう軟弱な奴らしかいないわけ。

だから私が…って食事の時間に仕事の話なんてナシナシ。

とりあえずお米と納豆だけだけどもうすぐ寝るしこれでいっか。野菜が足りてない気がするので後でサプリでも飲んでおこう。

「いただきま～す」

ピポッ

連絡用の端末が鳴る。

次の仕事の依頼かしら？

とりあえずご飯を片付けてシャワーを浴びてから確認しよう。

納豆ご飯は美味しいよね。食器や口が汚れやすいのが玉に瑕だけれども。ま、仕事の後で既に汚れちゃってるからいいよね。

あースープかお吸い物でも作ればよかったかしら。

水分はお水でいいか。

本当は健康にいい水とかなんとかそういうのがいいみたいなんだけど、定期購入とかそういう契約は職業柄めんどうくさいのよねー。

ということで一度沸かしたお水をただ冷やしただけのものをストック。結局はこれでいいのよ。

ごくごくごく

納豆ご飯はこれだけで美味しくて栄養もとれて最高ね。

ピルルルル

「ちっしつこい」

「はい、スカーレット。依頼は既に完了しておりますが…？次の仕事ですか？」

せっかく仕事終わりの朝ごはんだったのに。

どうやら次の仕事がはじまるみたい。

「ブラック労働もいいところね」

とりあえずはシャワーを浴びてひと眠りしたらまたお仕事だ。

残った卵の卵白を片付けつつ食事が終わる。

明日のご飯にはやっぱり卵白を使ってスープかしら。

「ごちそうさまでした」