【完】男が少ない貞操逆転世界に転生して冒険者になったら、簡単にハーレムを作れると思っていた時期が俺にもありました…

タジリユウ@3作品書籍化

第1話 貞操逆転した異世界


「お願いします、どうか許してください!」


 俺は目の前にいる3人の女性に必死で頭を下げた。それはもう姿勢を正して、これでもかというくらい頭を低く低く下げた。


 当たり前だ、なにせ本当に俺の命が懸かっているわけだからな。もしもこの世界に土下座という文化があるのならば、俺は間違いなく無様に地面へ頭を垂れて命乞いをしていただろう。


 この世界……そう、ここは俺がいた元の世界ではなく異世界だ。


「くっくっく。なんだよ、もっと抵抗してくれてもいいんだぜ?」


「そうだな。いくらだからって、冒険者なんだろ。ちょっとくらい抵抗してみたらどうだい?」


 ……できないとわかっていて無茶を言う。


 そもそもこの異世界では、女性の力に男では勝てないのが常識だ。それも女3人対男1人ならば、よほどのことがなければそれを覆すことはできない。戦闘能力のない俺にとってはなおのことである。


 この異世界では男女の割合が1:9、つまりは10人の中に男性がたったの1人しかいない割合となる。適者生存という言葉があるように、数が多い女性は自らの子孫を残すための生存本能によって肉体がより強くなり、男性は守られる存在としてよりか弱い存在となっていったらしい。


 国王は女性であることが当然だし、有名な冒険者や騎士なども女性、有力な貴族や商人なども女性というように、この異世界では女性を中心に回っている。


「ああ~もう我慢できねえ! さっさとヤっちまおうぜ!」


「まあこの洞窟なら誰も来ることはないから焦んなよ。たっぷりと楽しませてもらおうぜ。それにしても男の引き締まった尻はたまらねえな!」


「わかってねえなあ。ケツもいいけれど、やっぱり男は胸に決まってんだろ!」


 そう、この女たちの会話からもわかるように、この世界では女性が男性を襲うのである。女性はより大胆になって元の世界の男性のように上半身を見せることなど気にもとめなくなり、男性は逆に胸元や肌を隠すようになって、元の世界と男女の貞操が完全に逆転してしまった世界だ。


 それにしても男の尻や胸のどこに興奮を覚えるのか俺にはさっぱり分からない。本当にこの世界の女性が男を見る目はどうなっているんだよ……


 いやまあ、元の世界で女性の胸の大きさやお尻の形がいいかなんて、男の同級生と話をしてたのと同じようなものかもしれないけれどさ。


「さあ、そろそろ始めようか!」


 そう言いながら3人のリーダー格の女が何のためらいもなく胸当てを外し、上に着ていたシャツを脱ぎ始めた。この世界の女性はブラなんて物は付けていないので、シャツを脱ぐと、すぐにその豊満な双丘があらわになった。


「くっ!?」


 いかん、あれを見ては駄目だ! あれは俺の命を脅かすものに違いない!


 必死に目線を外して別のことを考え、なんとか俺の気を静めていく。


「おっ! その反応、もしかして童貞か?」


 女性の胸から視線を外したことによって、俺に女性経験がないと思われたらしい。違うんだ、本当は胸をガン見したいところなのだけれど、やむを得ない事情によって目線を外しただけなんだ。


 それが童貞の反応として捉えられてしまった。いや、童貞は童貞であっているんだけれど。


「やりい! それじゃあ俺がお前の初めての女になってやるよ!」


「ちょっと待って、順番は私の番だぞ! こんな可愛い男が童貞とは運がいい。安心しろ、大人しくしていれば最高の天国に連れて行ってやるからな」


「おいおい、相手が童貞なら話は別だろ! ここは3人で平等に決めようぜ!」


「そうだぜ。こいつが童貞なら、もう一度平等に決めるぞ!」


 3人の女性が俺の童貞を奪い合おうとするなんて、いったいどんな状況だよ!? 3人とも目がくらむような超絶美人というわけではないが、普通に綺麗な十代後半の女性達である。特にリーダーの女性の胸はめちゃくちゃデカい!


 元の世界で思春期真っただ中の童貞男子高校生の性欲なめんなよ! 付き合うかどうかと言われれば考えるかもしれないが、ヤりたいかヤりたくないかで考えれば、ぶっちゃけクラスメイトの女の9割以上は全然ヤりたいと思えるんだからな! いやマジで!


 元の世界ではあまり筋肉がつかず、線が細くて女っぽいと言われて、女にはモテたことがない俺にとってはもったいないくらいの相手だ。むしろ、こっちがお金を払ってでもお願いしたいくらいだぞ!


 しかし、こんな天国のような状況にもかかわらず、今の俺はものすごく焦っている。


 これは本気でまずい!


「よしっ、私が最初だな!」


「ちぇっ……」


「くそっ! しょうがねえ……さっさと済ませろよ」


 3人で話し合っている間にこの場から逃げる方法がないかを必死で探したが、一方通行の洞穴の中、出入口にはこの3人がいるのでどう頑張っても逃げ出せない。


「うわっ!?」


 俺より少し年上の女性とは思えないくらいの強い力で、あっという間に押し倒された。


「ふふっ、すぐに気持ち良くしてやるからな」


「くっ……」

 

「へへっ、本当にいい反応してくれるな。ほら、もっと気持ち良くしてやるぜ!」


「な、なんだっ!?」


 別の女が俺の額に手のひらを当ててくると同時に俺の下半身が熱くなってきた。具体的に言うと、マイサンがあっという間にカチカチの状態になっていく。


 くそっ、これが例のか!


「さあ、お互いに楽しもうじゃないか!」


 そう言いながら、リーダーの女性は自らのズボンへと手をかけていく。


 ぐわあああ! マジで見たいんだけど、見たら駄目なやつだ!


 それになんだか魔法の影響か分からないが、頭がボーっとしてきた……


 そもそもなんで俺はこんな状況になっているんだよ!?

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