A・J

「このヨタヨタの乞食ペイ中野郎が!くたばりやがれ!」酔っ払ったA・Jはホームレスのジャンキーを腹立ち紛れに蹴りとばす…

何年前かこのA・Jがジョンソンズにやって来た。来るものこもわずジョンソンはA・Jを受け入れた。そして今、A・Jの兎を殺して、その毛皮を密売していた事が発覚した。

ジョンソンはA・Jを呼び出すとこの一件を問いただした。「ミスター君は兎を殺していたそうだな。ここで動物を殺すのは違反だと分かっているはずだ。君にはもう我がコミューンを去ってもらうしかない。」A・J「船長せんよ!世界じゃアンタのユートピア思想なんてのは戯言でしかないんだよ。政治しろ思想にしろ金が懸かるもんなんだよ。アンタがアヘンのジョンソンて呼ばれてるのは商売してるからだろう。それと兎の毛皮を売るのと何が違うってん…」A・Jが言葉を終える前にでジョンソンはA・Jを撃ち殺した。

ジョンソンズで殺人はもちろん違法だ。しかし動物を殺す事はもっとも違法であり特例措置が行われる。A・Jはたかをくくりコミューンを利用し馬鹿扱いし、スペインに密告し、どうせ何も出来ないヒッピーの群れだと考えていた。A・Jは死をもってコミューンの平和的個人主義を代弁する事になった。ジョンソンファミリーは個人に関与せず助けを求める者は助ける。死刑などもちろん無い。

しかし特例措置はか弱い動物を殺した場合のみ許可されている。ジョンソンは去れという命をとらない選択をA・Jに与えたがA・Jはたかをくくり死んだ。動物殺しは自分の死を意味する。ある種のメガネ猿は不安を感じただけで死んでしまう。守り手が必要なのだ。A・Jは力の使い方を分かっていなかった。守るべき生き物が居、自分も守り手が必要だという事を分からず自らを死に追いやった。これは自殺である。ジョンソンはA・Jの墓を作り、その命の尊さをファミリーに伝えた。

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