『晶故』と『硝子』
「ううん、貴方は『晶故』じゃない。表裏ちゃんなの。そして私が『硝子』なの」
少女の形をした破片は再度、私の自己主張を優しく、でもどこか冷徹に、否定した。
「でも私は今までずっと『晶故』とみんなに呼ばれてきた。でも貴方は自分で名乗ってるだけ。それでなぜ違うって否定出来るの?」
いつの間にか私は眼からこの部屋の色に溶け込む色をした雫を流しながら少女の形をした破片の事を睨んだ。
けれど少女の形をした破片は私の睨みに臆することなく、淡々と、でもどこか柔らかい口振りで話し始めた。
「本当に貴方は自分を『晶故』だと信じてるのね。分かった。じゃあそんな貴方には......」
「"残酷な運命と真実"を教えてあげるわ」
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