悪役は世界を変える
@farna
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「侯爵家の嫡男、ラヴィン・マーティスは魔物を操り国家転覆をはかった!これは国
を守るべき貴族が起こした許されざる大罪である!また、本件の事件にいち早く気づ
き被害を抑え戦った平民アレンには多大なる功績を認め、子爵位を与えるとともにパ
ーシャルの名を与えるものとする。ラヴィン・マーティスの身柄は尋問を行い、
しかる後に死刑を執行するものとする。」
確かに俺の魔力量と闇魔法の熟練度からすれば余裕である。過去には魔物を操って王
都の襲撃を行ったこともある。だが今回の件は身に覚えがないし、今までに他人がそ
んな事件を起こしたことだってない。
主人公の取り巻きにも拘わらないようにしていた。
わからない...だが毎度のごとく誰かにはめられたのだろう。誰かが貶めてくるだろう
と思っていてもそれを阻止することはむずかしい。まるで世界に強制力があるみたいに
今回は誰が俺を貶めたのか。と思って裁判の場を見渡す。人のことをを貶める人間の
顔は何度も見た...だが、この場にいる今までに俺をはめたことのある人間の中にはそ
のような様子の人間はいな...みつけた...だが、そいつが他人の影響なく裏切ることな
んて一度もなかった。
はずだったのに。
主人公が自分をだます展開は今までにはなかった。
たしかにあいつは自分の正義を信じて周りが見えなくなるやばい奴ではある。
なぜ、
今までにない展開に困惑を覚えながらも思考のまとまらないまま兵士に連れていかれ
て冷たい牢屋に入れられたのだった。
「今世の失敗はいつも通り恋人ができなかったことと主人公に騙されたことかな
ぁ。」
何故騙されたのかわからぬまま監獄の中でそう独りごちる。
そうして三日後、俺、ラヴィン・マーティスは処刑されるのだった。
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