痛みを感じない最弱中二病の僕は死にかけるほど強くなるゲーム世界に召喚されて無双します

でんでんむし

プロローグ

プロローグ 真に恐れるべきもの

「いいか、よく聞け。真に恐れるべきは『有能な敵』ではない。『無能な味方』だ」


 目の前の男、レオンが自慢げな表情で語りだす。


「誰の事を言っているのか分かるか? お前だよ、トオル」


「え?」


 そして、僕の事を睨みつけてきた。


「もしお前が役立たずだと判断したら、容赦なくクビにして、パーティーから追放する。分かったな?」


「ちょ、ちょっと待ってよ」


 異を唱えようとする僕だったが……


「言い訳する暇があったら、死に物狂いで頑張れ。返事は?」


「…………はい、分かりました」


 僕は委縮して返事をしてしまった。

 どうしよう。この人、怖い。

 しかも、めちゃくちゃ強いから、逆らえない。

 今の僕じゃ絶対に勝てないから、従うしかない。


 せっかく異世界に召喚されたというのに。

 ドキドキとワクワクが待っていると思ったのに。

 このパーティーからはギスギスの予感しかしない。


 なんでこんなパーティーに入ってしまったんだ。

 これも僕が最弱なのがいけないんだ。

 どうにかして、強くなる方法はないのだろうか?


 そもそも、どうしてこうなってしまったんだっけ?

 僕はこうなった経緯を思い出すことにした。

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