第33話 挑戦者二人VS超越鬼
「見えた、三秒後に胸。私は腕を狙う」
「了解」
私と優香はそんな会話をしながら刀と槍に魔力付与をした後、巨鬼に向かっていう。そして宣言通りに私が腕を、優香が突き、切り裂いていると、巨鬼は悲鳴をあげた。
「あまり………………暴れないでもらえるかな!」
私はそんな事を言いながら肩を切り裂く。しかし同じ攻撃という訳では無い、少し魔力付与を変えている。
「ガァァアアァァァァ!!!」
巨鬼は肩を切り裂かれた痛みで悲鳴を上げる。いや、これは肩を切り裂かれた痛みでは無いか。
「え?え?…………あの鬼すっごく苦しんでるんだけど?もしかしてあの肩にダンジョンコアがあったの?」
「正解、だけどあのままじゃ通じなかったからね。事前に予測していた魔力付与で攻撃したら"
「そうなんだ。…………ねぇ、あの鬼、ダメージを喰らってない?」
「え?………………確かにダメージを受けてる。なるほど、コアに直接ダメージを受けたからダメージが残っているのか……………なんだ、簡単じゃんか。未来を予測するだけだなんて」
※決して簡単ではありません
私は驚きながらもそんな事を口にする。巨鬼は私の言葉、いや、ダメージを受けていた事なのかもしれないが、怒りを露わにしてきた。そして強烈な魔力を掌に収束した後、放出させる。
「グギャガッガァ!!」
巨鬼は腕を組み、自慢気に此方を見ている。なんかムカつくな、この怪物。私は刀を逆手に持ち、私達に向かって来る魔法を刀に当てる。
『
「鬼の魔法が反射した…………!?」
「むふふ、どう?優香。私が今さっき開発して魔力技術は」
「すっごい………………凄いよ!魔法を反射するのって並大抵な技術じゃ出来ないもん!あ、今のうちに何か投げとこ!」
優香はそんな事を言った後、自身の槍を複製した槍を巨鬼に向かって投げ飛ばす。一瞬空気の音が聞こえたが、すぐに巨鬼に突き刺さった。そして巨鬼はその刺さった槍に悶えて苦しんでいた。私の邪力みたいな侵食効果がある訳でも無いっぽいし…………ダンジョンコアに刺さったか。
『やっば……………そんなピンポイントに刺さる事あんのかよ』
本当だよね、優香って何であんなに運が良いんだろうか。前に一緒にダンジョン探索に行った時に優香の宝箱だけ大当たりだったんだよ?私のはショボかったのに………………私って運が悪いのだろうか、それとも優香の運が良すぎるだけなのだろうか。
『どっちかって言うと神道優香の運が良すぎる方になるだろうな。いやまぁ、マスターの宝箱運があまり無いと言うのもあるんだろうが…………言うても常人よりも下レベルっていうだけだからな。神道優香の運が異常なんだろ。マスターは戦闘に関しての運が飛び抜けてるんだからそれで我慢しろ』
はーい………………えい!!私は私の背後に魔法陣を展開した後、放射せずに魔法陣をそのまま残らせる。巨鬼はいつ迄経っても発動しない私の魔法に疑問を思ったのか、首を傾げている。よし!今だ!私は疑問に思っている巨鬼の背後に不静動魔法を使用する。未来予測で感知したダンジョンコアに向かってレーザーをポイっ!
『うわっ、マスター…………………やってる事まじでエグいぞ。少し、ほんのちょっとだけどさ、あの怪物に同情したぞ。卑劣って今のマスターの為にあるみたいだな』
だまらっしゃい!!!人間とかだったら躊躇いとかはあるけど、相手は怪物だからね。そんな容赦とか必要ないんだよ!
「ちょっと、今のは酷いんじゃないの?怪物相手には容赦無用とは言えさ」
「酷く無い」
「えぇ…………酷いでしょ」
「酷く無いったら酷く無い!!!!」
「いや、流石に問答無用レーザーは酷いって」
「うぐぐっ……!」
私がそう歯を合わせ、唸り声をあげていると、ジンから思念が飛んできた。
『マスター………………』
私は一瞬、ジンは慰めの言葉が飛んでくるのかと思っていた。しかし………………
『親友に其処まで言われるなんて…………可哀想だね☆』
ジンは言葉に☆マークが付きそうな位の明るい声でそう言った。すっごくムカつくな、この能力。私は怒りを胸に抱き、刀を振るう。そうすると、特大の斬撃が巨鬼に向かって言った。
「なんか……………大きいの出来た」
『わ、わぁ………………すごい斬撃だね、マスター。マスターが其処まで成長出来るなんて、マスターの能力として素晴らしい気分だよ』
そう……………それじゃ、後で心象世界に行って試し撃ちをさせてもらうからね。
『ふぁ!?ちょ、正気!?自身の能力にこんな技を放つなんて!』
ふーん、誰だったかな。最初に私を殺せる技を撃ってきたのは。
『ふゅーふゅふゅー!だ、誰だろうなぁ!マスターにそんな技を放つだなんて酷いなぁ!』
それで誤魔化せると思ってる訳?少なくともさ、私は誤魔化されないよ。だからあの斬撃直撃コースは確定だからね。
『ひえっ!?マスターが怖いよぉ:(;゙゚'ω゚'):』
きっしょ。ジンがしても気持ち悪いだけだよ。
『むむむ、確かにそうかも。でもマスターなら可愛くて似合うでしょ?』
私はジンのその言葉に刀が止まりかけた。そしてすぐに動き出して刀を振るう。
「優香、槍を構えて。5秒後に左胸を狙うよ。それで最後だから」
「ん、了解………………ねぇ、未亜?顔が赤くなってない」
「気のせい!」
「え?いや、絶対に気のせいじゃ……………はい!すみませんでした!顔は赤くなってません!私の気のせいでした!!」
「よろしい」
『
私と優香が左胸に槍で突き刺し、刀で切り裂くと、巨鬼は怪物石になって消え去った。
『ねぇ、マスター……………これからあの斬撃俺喰らうの?ねぇ、なんでもするから。甘やかしたりするからさぁ、やらないでよぉ』
分かった、やらないから、やらないから!
『本当!?じゃあいっぱい甘やかしてあげるよ』
私はジンのその言葉に顔を赤くする。
「ねぇ、未亜。やっぱり顔が赤くなってるよね?」
「なってない!!!」
私はそう否定するが、優香はニヤニヤしている。
「もしかしてだけど……………ジンさん案件?」
「違う!!!」
「あ、そうなんだ。未亜ってジンさんの事本当に好きだよねぇ」
「ち、ちがっ……………」
「違うの?」
「違わないけど………違わないけど!……………うぅっ!優香のバカ!!」
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元名
・成功型892号
・成功型743号
この二人は父親である博士に赤子の頃から引き離され、子供の頃に改造された改造人間。目的としては、人工の英雄。
ちなみに最初に救い出されたのが
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