第18話 漆黒舞の使い手と講義
「はぁ、めんどくさい」
「まだ言ってるの?あのクソ支部長に決定されたんだから諦めなよ」
「うぅ、でもさぁ、あのクソキショ探索者も参加するんだよ!?私は嫌だよ、
「そりゃあまぁ、私だって嫌だけど。でも頑張るしかないから、ね?」
「はぁ、分かったよ」
私ともう1人の講師である風式花音が講義会場へと向かっていく。私と花音が講義会場に現れると、講義参加者達の顔が驚愕に染まった。私が講師と知ったことで男尊女卑をした奴は顔が真っ青に染まっていた。しかしそれでも五月蝿いのは居る。こういう時はどうすれば良いんだろう。
『あぁ、そういう時はな……………………分かったか?俺が言ったことをすれば落ち着くぞ』
私が悩んでいると、ジンから思考が伝わってきた。私は『ジンってそういうの出来たの!?』という思いが頭を通るが、『まぁ、いっか』という考えでその思いを外に出す。それじゃあジンが言った通りにしようか、確かジンが言うには………………魔力を放出すれば良いんだっけ。
「はぁ、五月蝿い、黙っててくれる?講義が出来ないんだけど?」
「あ?お前みたいなクソ
私に口答えしてきたその男は、私を舐め腐っている様な目をしながら『ゲラゲラ』と笑っている。流石に過ぎてるでしょ、私はそう思いながら魔力を放出して威圧を開始する。とは言っても、そんなに強い威圧では無い。しかし経験も何もしていない初心者探索者達では抗えないのも事実。私が魔力による威圧を続ければ続ける程、講義参加者達の顔が青ざめていくので、魔力の威圧を止める。
「分かった?これが私と君たちの差だよ。1人、規格外の初心者が居るみたいだけどね。静かになったことだし、講義を始めるよ。準備をしていた物を取り出して、花音」
「え、あ、うん。わかった。それじゃあまずは怪物石から取り出そうか。ホイホイホイ!」
「それじゃ、説明を始めようか」
「この怪物石の説明を始めようか。一番小さい怪物石が
それから私と花音は色々な怪物やスキル、魔法の説明をしていった。その説明途中に『こんな怪物、俺は余裕でぶっ潰してやるぜ!』なんて馬鹿な事をほざいていたので、私は色々な怪物に蹂躙されている映像を見せた。何故それを持っているのかだって?むかーし昔、探索者協会諜報員というのがあってね、それでダンジョンの様子を確認していたのだよ。
死んだら確認出来ないだろって?それはカメラに持ち主が死んだらある場所に転移する魔法を掛けてたらしいからね。今?今はもう無くなってるよ。今の探索者協会会長が就任する前に探索者協会諜報員があったんだけど、今の探索者協会会長が就任すると無くなったんだよね。なんで無くしたのか、詳しくは分からないけど……………一説によると、現会長は慈悲深い人物な為、そういう命を無意味にさせたく無かったんだとか。ダンジョン探索に役立ってるんだから無意味じゃ無いと思うんだけどね。
私と花音の説明が終わると、支部長、いや、偽ピチピチ30代で良いか。ソイツが『試しにダンジョンを経験してみようか』と言った事で、ダンジョンに行くことになってしまった。はぁ、次々とめんどくさい事が降ってくるよぉ。私はすぐに家に帰ってジンの夢空間に行きたいのにぃ!
『ふふふ、俺と会うことがそんなに楽しみ?』
わっ!?ちょ、ちょっと!いきなり声を掛けないでよ、ビックリするじゃんか。楽しみっていうか……まぁ、うん、そうだよ。確かにケーキとか、甘い物は楽しみだけど…………ジンと会うのも楽しみにしてるんだよ?なんかさ、ジンと一緒に居ると落ち着くんだよね、心があったまるっていうか、お母さんと同じ感じがするの。これが家族なんだなぁって思えるんだよ。
『ッ!?そ、そう、それなら良かった。いつでも来なよ、どんな時でも
むふふ、ありがとね、ジン。その言葉に甘えさせてもらって、このダンジョン指導が終わったら行かさせてもらおうかな。それとさ、もしかして照れ……
『照れてない!』
わぁお、食い気味の否定だね。でもさ、照れてないって言っても説得力低いんじゃ無い?さっきの言葉も普段の言葉と違ったし。やっぱり照れてたんじゃ無いの?へいへい、どうなんだい?ジン。
『うるっさいなぁ、別にどうでも良いでしょ。というかさ、自己紹介タイムが始まるよ。さっさと準備しな』
むー、絶対にジンの領域に行ったらこの事聞かせてもらうからね。あと甘やかしてもらう!
「それじゃあ自己紹介を始めようか、私はこの初心者探索者の講義の講師、花唄未亜。よろしく」
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□小さな大空
空魔法を使う空を飛ぶ鼠。この種族の基本個体がEランクなだけで、変異種とか進化者との場合、絶対にAランクを超える。
補足:ロッド、ジン、ユーフォス、フュースの敵と降臨していた世界神の眷属獣にもその
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