デッド・エンド・ロール ～最狂のタイムリーパー～

第2話 セカンド・スクールライフ

　初登校（二回目）は一回目とほとんど変わらない。彼＿霧江（きりえ）優斗（ゆうと）と一緒に登校している。中学が一緒で家が近いため一緒に登校してる感じだ。

　初めての高校は緊張したため、同じ中学校の人は本当に心の支えだった。

　といっても、私は二回目なので、はじめましてのクラスメイトの顔も名前も知っている。

「緊張するね」

「大丈夫、すぐに友達できるよ」

「だと良いけど＿」

　霧江が不安気に話す。

　一回目と似たような会話。それもそうだろう。霧江は一回目の記憶は無いようだし。

「できなくても、私は一緒にいるからね！」

「遠回しにバカにしてる？まぁ、ありがたいけどさ」

「バカにしてる訳ないじゃん。でも、同中にボッチがいるのは恥ずかしいよね」

「そういう蒼（あおい）は友達できるのかよ」

「もちろん、できる訳ないじゃん」

　私は一人の方が楽だし。

　それに、霧江と付き合うのに協力者とかはいらない。というか私の現状を理解してくれる人いないと思うし。

「同中にボッチがいるのは何だって？」

「痛いところ突くね＿＿」

「その時は俺が一緒にいてあげるよ」

「＿＿っ！」

　変わらない。霧江は変わらず格好良い。変わってなくて当然と言えば当然なのだが。

　そんな会話をしながら通学路を進んでいき、学校に到着した。

「クラス同じだと良いね」

「＿うん。そうだね」

　同じクラスなのはもう知ってる。なんかネタバレを喰らったような不思議な感じがする。

　生徒玄関に張り出されてるクラス名簿を確認する。私の苗字は蒼なので大体出席番号が一番だから見つけやすい。それ以前にどこのクラスで何番なのか知っている。私が一年二組の一番、霧江は九番。

「私は二組だったよ。霧江は？」

　白々しく霧江のクラスを聞く。

「俺も二組！やったね！」

　その純粋な笑顔を見てドキッとする。それと同時に罪悪感を覚えた。

　霧江は先に自分の下駄箱に向かった。

　なぜだろう、こんなにも近くにいるのに遠いような、そんな気がする。

「どうしたの？」

　少しの間、立ち尽くしていた私に霧江が声をかけてくる。

「いま行くー！」

　私は駆け足に校舎に入った。

　入学式はそこまで緊張しなかった。

　それよりも、聞き覚えのある話を聞くのが大変だった。睡魔に襲われたが、なんとか耐え抜いた。

　ホームルームでは、知っている担任の自己紹介と配布物、聞き覚えのある話。唯一の救いは今日が午前授業ということだ。

　これからずっとこの感じだと思うと、気が滅入る。

　でも、クラスメイトのことを知っている状態で今日のみんなの様子を見るのは何となく面白かった。それぞれの言動に納得ができるような感じだった。

　一回目と同じ道をなぞっていく。

　途中から、初期化したゲームをプレイしているような気持ちになった。もったいないような、清々しいような＿そんな気持ち。

　そんな気持ちを胸の奥にしまい、再び始まった学校の疲れに押しつぶされ眠りに着いた。

あとがき

　ご視聴？ありがとうございます。

　深雪が優斗の笑顔を見て感じた違和感の正体とは？