第20話

「よ、春。どうした?」


断られるかもだけど、とりあえずトラジに電話しておこう。予定入れられたら困るし。


「夏休み、どっか連れてってくれないの?」


「いや春、お前彼女とデートで忙しいんじゃね?」


「彼女はバイトで忙しい」


「まじでー?冬はデートばっかだろ?忙しいんじゃね?」


「たぶん大丈夫。秋も部活休めるし大丈夫だよ。いつ連れてってくれる?」


「あー、予定見てからな。また連絡する」


「わかった」


「秋はどうだ?最近」


「え、秋?最近どうかした?」


「ちょい疲れてる」


「え、そうなの?…知らなかった」


「家で落ち着いてんならいい」


「うん。早く出かけたい」


「わかった。春、楽しみにしとけ?」


やった。

その後すぐに連絡があって、来週に決定した!塾に行って、勉強してたらあっという間にその日になった。


「やばい!あれ怖そう!」

「にーちゃんは?乗る?」


「いや、絶叫系無理」


双子ははしゃいで乗り物の列に行った。


「お前らまとめて撮ってやるからな!ちゃんと隣に座れよ?」


言葉遣い悪いトラジ。でも、優しいんだよなぁ。


「おい、春。座るか?」


「うん」


乗り物は、怖くて乗れない。でも、遊園地ではしゃぐ双子を見たら元気になれる。トラジはベンチに連れてってくれた。


「春、彼女とデートどこ行った?」


「…ファミレスくらいしか行けてない…」


「はー?まじで?もっと行けよな?」


「そうなんだけど…」


「冬は結構出歩くよな〜よほど楽しいんだろうな」


「うん、尚巳ちゃんのこと気に入ってるから」

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