#27



「ギャーーーー!血がっ!血がっデタァアッッッーーー!」



ふらっ……。ぱたんっ!


あっ、気絶した。



初のベヒー討伐を果たしたので、素材回収の為に解体作業を始めた。ブスリと解体用ナイフをベヒーの死体に突き刺すとピュッーと血が吹き出す。


そして、それを見たアリルが気絶した。


もうすでにご存知で、お気づきで、分かりきってる事だとは思うが、あえて言おう。


アリルちゃん絶望的なまでに、どっからどう見ても冒険者に向いてない(爆)


とは言え、クソの役にもたたないポンコツちゃんが他に何か出来ることがあるのかと問われれば、それはキッパリと「ありません」と答えるしか無いのだが。アリルが何かをちゃんとこなしている所はまったくと言っていいほど想像出来ない。


やっぱりもう俺のお嫁さんになる他なくない?あっ、それは既になってるかー。アリルちゃんは俺の嫁だったわー。はー、可愛い。



「セランちゃんは平気?」


「?何がでしょうか?」



ちなみにセランちゃんの方は血を見ても、何事も無かったようにケロッとしてた。流石は初代様の完全上位互換。初代様に毛が生えた程度の有能さ。セランちゃんも俺の嫁。





◇◇◇





「今回の依頼もボクにかかれば余裕だったね!まったく、この程度の低レベルな依頼ではボク本来の実力を出すまでも無かったさ!気がついたら依頼を達成していたよ!」



そりゃアンタずっと気絶してたしね。それでもって終始、俺が小脇に担いでたからね。


ベヒー討伐依頼を完了した。


これなんかイケそうな事に気がついた俺は2匹目、3匹目のベヒーを1匹目と同様に両腕にポンコツちゃんズを担いだまま行った。


ベヒーは2回蹴れば倒せる。セランちゃんはずっとビービー泣いていたが、1番うるさいアリル様が気絶して大人しかったので、1匹目より楽に残り2匹を倒すことが出来た。


そんなこんなで無事にベヒーを討伐することが出来たのである。ふぅ、誰も怪我しないでよかったわー。


今日はベヒーから剥ぎ取ってきた獣肉がある。


パンツ以外の新たな食べもの!あんまり美味しくは無いらしいが、これは今日の食事が楽しみだ。









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