#25
地道に依頼をこなしてランクが5まで上がった。
主に薬草と赤キノコを集め、ポーションを作ってる。たまにスライムを倒す。
はじまりの草原第2エリアにはベヒーと言う豚が出現して、依頼にもベヒー討伐があるのだが、まだそれには挑戦してなかった。
ベヒー……どっからどう見ても、ただの豚だ。ただの豚ではあるのだが……この豚、なんとスライムより強い……!
流石に蹴り飛ばしただけでは倒せないし、スライムの体当たりよりも強い体当たりをしてくる。ふにょん!がトンっ!って感じだ。豚だけに。
正直……かなり危険なモンスターである。
俺にとっては雑魚でしかないが、それは俺にとってはの話で、こちらにはスライムにすら勝てないクソザコナメクジが2人いる。
死の危険性があるといっても過言では無いだろう。いやマジで。スライムの体当たりで倒されるヤツらがベヒーの体当たりなんて喰らえば無事では済むまい。最悪、死ぬ。いやホントに。
そんな危険性を考慮してベヒー討伐を見送っているのが現状だ。
「パン飽きた」
悲報、アリル様パンに飽きる。
毎日3食パンだしね。気持ちは分かる。
となると新たな味覚を求めてやるしかないか。ベヒー討伐を……!
「ベヒーでしょ?あんな歩く食用肉なんて雑魚モンスターにボクが負けるわけないじゃないか!まっ、クソザコのキミには少し荷が重いかもしれないが、ボクにとって雑魚同然。余裕すぎて目をつぶってでも倒せてしまうよ!」
口だけ番長がなんか言ってる。コイツはいつも負けて泣かされてるスライムよりベヒーの方が強いってちゃんと分かってるんかな?分かってないんだろうな。目をつぶっても余裕とか言うけど、普段から目を開けてるのか、むしろ目がついてるのかすら怪しいヤツがよく言う。
「ベヒーなんて無理ですよォ……殺されちゃいますよォ……」
その分。フシアナパイセンとは違ってセランちゃんはしっかりと自分の現状を把握している。ちゃんとベヒー討伐は命に関わる危険な依頼だということを理解してらっしゃる。セランちゃんはおりこうさん!凄い!偉い!しゅきっ!
「アレだったらセランちゃん留守番してる?」
「あっ、はい。それなら……」
「そんなのダメに決まっているだろう!パーティーリーダーであるボクの許可も取らずにそんなことは認められないよ!キミはボクの肉壁要員だ。いざと言う時にボクの身の安全をその身を呈して守ってもらうからね!留守番なんて許さないよ!」
「ひっ、ひぇえ……」
ド畜生かな?
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