人間T
彼岸キョウカ
朝は嫌い
死にたいが渦巻いている。
この渦に呑まれて身動きが取れないし、溺れているから助けも呼べない。
ここまで死にたいと私は、私は脳か心が病気なんじゃないかと思ってしまう。そうであってほしいともね。
じゃあ病院に行けば良いじゃないかと思うだろう。ははっ。それができたらこんな何年も苦しんでいないよ。
実際、病院は調べて予約したこともあるんだ。まぁ、予約はキャンセルして行かなかったんだが。それに、学生時代は一度だけスクールカウンセラーに相談したこともあるよ。
……なんかさ、嫌なんだよね。私に興味ないのに、現状だけみて「はい、あなたはこういう病気です」もしくは「はい、あなたはただ怠けてるだけの健常者です」または「辛かったね、でもあなたは素敵だから生きようね」って言われるのが。
私がなんで私になってしまったのかを知りもしない、知ろうともしないくせにさ、偽善を振りかぶしてくるんだよ。
いや、私が病気だとわかるのは良いんだよ。その方が生きやすくなるのなら、ね。ただ、私が病気だと診断して、それで解決したと思われるのは嫌だ。
現状だけ変えてもなんの解決にもならない。私の場合はこの死にたい原因となってしまった過去をどうにかしないとずっとこのままなんだろう。まぁ、専門知識がないから私の意見は的外れかもしれないけどね。
これから、私がどうして私になってしまったのかを綴ろうと思う。先に言っておくが、特別なことなど何もないよ。どこにでもありふれた人生。特別になりたかった人生だ。それと、私がこれを綴って、不幸自慢をしたいわけではないことを理解してほしい。私としては辛いこともあったさ。でも私にとっては辛くても、そんな出来事は世の中に満ち溢れている。そのことは充分理解しているつもりだよ。こんなことがあって、その時にこんなことを考えていて、如何に私が性格の悪い人間で、生きる価値がない人間だと知ってもらえたらそれだけでいいんだ。そう、知ってくれるだけでいいんだよ。それ以上は何もしなくていい。
私はゲロを吐いてる間、背中を擦ってほしいんじゃなくて、「あーこいつゲロ吐いてるわー苦しんでたんだなー」って思って通り過ぎてほしいの。誰も他人の苦しみを、感情を、100%完全に理解することはできないから。
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