第十二話 伊邪那岐命と伊邪那美命のお話.壱

 タイトルを見て「おっ、知ってる」となった方も多いと思います。

 そうです、今日は皆様ご存知、伊邪那いざな岐命きのみこと伊邪那いざな美命みのみことについてお話したいと思います!


 ちなみに、このお話は古事記の内容も含みますので、いつもよりかは長くなるかと思います。


 既に知っている方も多いと思われますが、この御二方は神世七代最後の代であり、国生み・神生みの神様です。


 伊邪那岐命と伊邪那美命は、前述の神々から天沼矛あめのぬぼこを授かり、漂っているくにを修め固めろと言われます。


 そうして高天原から降り立った二人は、天沼矛を海に入れ、ぐるぐるとかき混ぜます。

 その時に天沼矛から滴り落ちた塩が積もりに積もって、オノゴロ島ができます。


 お二人はそのオノゴロ島に尋殿ひろどのを見立てました。

 伊邪那岐命は伊邪那美命に


「お前の体はどのようにできているのか」


 と、問います。

 それに対し、伊邪那美命は


「私の体は成り合わないところがあります」


 と言います。

 そしてまた伊邪那岐命が


「我の体は成り余っているところがある。我が身の成り余っているところを、お前の成り合わないところに刺しふさいで、国土くにつちを生み成そう」


 と言います。


 勘が鋭い方ならもうおわかりかと思われますが、この“成り合わないところ”と“成り余っているところ”と言うのは、女性器と男性器のことを指しています。


 つまり、このお二人は今からまぐわい、要は性行為をしようとしてるのです。


 伊邪那岐命は天の御柱を回って、巡り会ったところでミトノマグワイを行おうと提案します。

 実際に周りを回り、巡り会ったところで、伊邪那美命が


「なんとすてきな殿方よ」


 と言い、続いて伊邪那岐命が


「なんと素晴らしいオトメなのだ」


 と言います。その後に、彼は女性から言うのは良くないことだと言うのですが、欲求を止められなかったのか、そのまままぐわいます。


 そして生まれたのが『水蛭子ひるこ』と言う、骨無しの子どもです。この子は葦舟あしぶねに乗せて流されました。


 その次に生んだのは『アハ島 』です。この子はかげろうのように儚き子だったのだとか。


 ちなみに、この二人は子のうちに数えないらしいです。


 お二人は困り果て、先に生まれていたあまかみたちに聞きに行きます。

 天津神たちは太占ふとまにで占い合わせました。


「女が先に誘ったのが良くないのだ。ひとたび、下に戻って言い直せ」


 的なことを言われます。

 お二人は早速下に戻って、先程と同じ方法を取ります。巡り会ったところで、今度は伊邪那岐命から言います。


 仕切り直してミトノマグワイを行うと、日本が生まれます。

 最初は島々、最終的に本島が生まれます。


 そしてまたミトノマグワイを行うと、今度は特に異常のない子供達が生まれました。


 その神々の名前をいちいち出しているとキリがないので、かの有名な三柱以外はほとんど省かせていただきます。すみません。


 たくさんの子をお生みになっている中で、ついに事件は起きてしまいます。


 皆様、日本における火の神様は知っていますか? 名は火之迦具ひのかぐ土神つちのかみと言います。


 この神様は伊邪那美命から出てくる際、燃え盛る炎と共に出てきました。それによって、伊邪那美命は大火傷を負ってしまいます。


 伊邪那岐命が介抱しますが、病状が良くなることはありませんでした。

 その時の伊邪那美命の吐瀉物やふん尿からも、様々な神様がお生まれになりました。


 そして、伊邪那岐命の介抱もむなしく、伊邪那美命は亡くなってしまいます。


 


 

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