第44話 旅が始まった
動き出した馬車は城を出ると、王都の大通りに差し掛かります。
まだ朝早い時間ですが、沿道ではわたしたちをお見送る方たちが大勢おり
お声をかけてくださっているので、わたくしも手を振ってお応えしまが
王都の門を出るまで人は途切れませんでした。
そして、王都の入口の門を出てしばらくしたところで一息つきました。
「この時間から大勢の方がお見送りするとは思いませんでした」
「国王陛下がご事前に王都の方々にお伝えしましたからね」
「それは知っておりますが、ここまでとは思いませんでした」
「それだけフローラ様がお慕われているのですよ」
「確かにそうですね」
朝早くから王都の方たちにお見送りにされるという事は、そういう事ですので嬉しいですが
「朝早くから姫様を見送るなんて、みんな元気だね……ふぁ~」
トリシャ様は眠い顔をして、あくびをします。
「トリシャ眠そうだね」
「なんか眠れなくてね……」
「寝るのが好きなトリシャが、緊張張して眠れないなんて珍しい」
「あたしも以外だよ……どんな時、どんな所でも寝れるのに、昨日はなんか目がさえてね……ふぁ~」
トリシャ様はまたあくびをしますが、トリシャ様が眠れないとは本当に珍しいですね。
前世の記憶でも野宿は平気でしたし、石の上に何も敷かずに眠っていましたからね。
さらに、雪が降るでも平気に眠り、むしろ凍死しないか不安でしたし
「しばらくは安全な所ですから、お眠りになっても良いですよ」
「そうだけど、なんか眠れなくてね……」
「眠れないなら無理に寝る事はないと思ったよ」
「そうですよ、眠るとしますとよきに眠れないですし」
「確かに、そうだね」
トリシャ様は無理に寝るのをやめましたが、ある程度進んだら
トリシャ様はそぐに眠ってしまいました。
「眠れないと言いつつ、すぐに寝るとは流石トリシャだね」
「そうですね、トリシャは昔から変わりませんね」
「そうそう、背丈も胸も全然変わってないね。ほっぺもまだぷにぷにだし」
アルニルはトリシャ様のほほを指でついていますが、寝ているトリシャ様の頬を
アルニルがつつくのも前世からから変わっていませんね。
「アルニルは前世からトリシャ様の頬をつつくのが好きですね」
「トリシャは体型の割に、ほほがぷにぷにしてるのでついです」
「別に良いですよ、ほほえましいですし」
「それなら気にしませんが、トリシャも起きないよね」
「トリシャは寝たらそうか単に起きませんから、そのままにしておきましょう」
「そうですね、やっと眠れたようですし」
眠っているトリシャ様はこのままにしますが、突然馬車が止まりました。
「馬車が止まりまたね」
「何かあったのでしょうか」
馬車は整備された街道を走っていましたが、急に止まりたが止まるような場所でありませんので何かあったのでしょう。
なんでアルニルが御者に確かようとしまが、馬に乗ったアランが横を駆け抜けていきました。
「アラン君が駆け抜けていきましたね」
「何かあったのでしょうか」
「わかりませんが、警戒をしておきます」
アランが駆けて行ったという事は、何か問題が発生したという事でしょうか。
「フローラ様、失礼いたします、前方に馬に乗った男が道を塞いでおりましたので馬車と止めました」
箱馬車の小窓を開け御者がそう伝えますが、現在走っている街道は安全な街道で
周りにも家屋が多いく、止まった場所も家屋が数件ありますし人通りもあり
馬車も走っておりますので、襲うにしても目立ち過ぎですのでなんでしょう。
「まったく、お前ってやつは……どこから情報を仕入れた」
「姫様が旅立つなんて、みんな知ってる事だ。ただ、俺は王都に入れなから
少し離れたこの場所で待ってたんだよ」
「盗賊風情が、余計な事をして。この場で切り捨てても良いのだぞ」
「まてまて、剣を抜くな。こちらすぐに剣を抜けない場所に剣があるんだよ」
「そうか、なおさら都合がいい。今までの罪をこの場で清算出来るな」
「まて、お前、目が本気だぞ!」
アランの声とエモリーの声が聞こえてきしたが、どうやらアランがエモリーを斬ろうとしてるようです。
「フローラ様どういまします?」
アルニルが聞いてきましたが、どしましょうか。
「エモリーは盗賊団の首領ですから、この場で切り捨てても問題はありません」
「確かにそうですが、今更ですか?」
「前回の時は直接的な被害もありませんでしたし、敬意を表していましたので
見逃しましたが、今回は往来を妨害した罪に問いても問題ありませんね」
「フローラ様、そのことをお忘れになっておりませんでしたか?」
「さあ、何の事でしょう」
王族の馬車を無理やり止めるのは、それだけでも罪になります。
なので、前回もそれだけで罪になりますが、王族に対する盗賊行為の方が
更に罪が上回るので、些細な事ではありますが。
「盗賊行為の方が重罪ですし、些細な罪です」
「確かにそうですが、それでも場合によってはその場で切り捨てではありますよ
「それはお父様の場合ですし、わたしの場合はそこまでではありませんから」」
「そうですが、どうもアランが本気でエモリーを斬ろうとしているようですよ」
アルニルがそういいますので、馬車の扉を開けて様子を見てもらいますと
剣を抜いて丸腰のエモリーを押そうとしているアランの姿があるとアルニルはいいました。
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