因縁


「はは、ははは、あっはっはははははは」


腹を抱え笑っているアート。


「久しぶりに見たよ。君の困惑する顔、やっぱりここまできた甲斐があったよ!」

「……ッ!!」

「はは、そんなに睨みつけても怖くないよ。この時を10年待ってたんだから」


ケリーの頭痛が更にひどくなる。

何かが記憶の奥底から引っ張り出された。

それは無数に並ぶパズル。

繋ぎ合わせ、認識を。


「メディア……!!」


その名を口にする。

10年前に自分が撃った女の名を。


「……ようやく、その名を言ってくれた。思い出してくれたんだ、嬉しいよケリー。

なら、僕が君を撃った理由は言わなくても良いね」


ケリーには心当たりしかなかった。


10年前、ケリーは彼女を撃った。




それだけ思い出して、意識が消し飛んだ。


「ははははは、あっはははっはっはは!!やった!やった!やった!やった!やった!やった!やった!ようやく撃てた。

けど、僕は知っている。

君はこれぐらいじゃ死なない。

だから、確実に殺す」


骸の頭に更に3発。

ベンチが赤く染まる。


「じゃあね。お兄ちゃん。先に地獄で待っててね!!」

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