くま

くま

「なぜあんなにも美人の麗ちゃんがモテないのか考えてみよう」

「くま」

「くま？」

「隈が深い」

「確かに深い。徹夜の証」

「くま」

「くま？」

「熊」

「どゆこと？」

「訳わかんないくらい厳つい熊のキーホルダー大量につけてる。それにアイツの家、お土産史上最も使い道に困る木彫りの熊置いてあるじゃん」

「え、可愛いじゃん」

「それ思ってるのお前らだけだって」

「マジか」

「熊本出身」

「それ差別と偏見」

「違う。アイツは熊本県民以外を人だと認めていない。言わば平家の人間のようなものだ」

「まあ確かに頑固なところはある。でもそこも可愛い」

「それ思ってるのお前だけだって」

「マジか」

「くまモン」

「ご当地キャラクター？」

「アイツはくまモンと結婚すると公言している。言わば初音ミクと結婚する人間のようなものだ」

「そこと比べてやるなよ。初音ミクは美人だけどくまモンはゆるキャラだぞ」

「ゆるキャラのが人型ですらない分ヤバいからな」

「マジか」

「そして何より佐久間」

「私じゃん」

「お前のガードが硬すぎるからだ」

「私の審査を通らずに好きになれると思うなよ」

「その所為で麗を好きになった奴は軒並み諦めていく」

「なるほどそれは仕方がない。麗ちゃんに変な男を近づけさせる訳にはいかない」

「ということで麗への告白許可をください」

「断る！」