第47話 バンドの演奏勝負。決着は?

 「素晴らしい演奏だったよ」

 相手バンドのリーダーが言った。

 「でも、まだ君達のバンドに比べたら、まだまだだよ」

 僕は思っている事を素直に相手に伝えた。

 「でも、ゼロから始めて、この短期間でこれだけ、仕上げてきたのが、すごいよ。並々ならぬ努力をしてきた事が想像できたよ」

「客の数も完敗だったし、僕達の負けだよ」

 僕は負けを素直に認めた。

「でも、お客さんの反応は俺らのバンドより良かったよ。お客さんの数は元々の知名度の差があったから、そこは仕様がないよ」

 相手バンドのリーダーは僕達が思っている以上に、僕達の演奏を評価してくれていた。もしかしたら、自分達が思っている以上に、演奏のレベルは高かったかもしれない。

「一緒に東大受験しよう」

 相手のバンドのリーダーが予想外の事を言った。

「東大受験しても良いの?」

「もちろん、良いよ。元々、少し勘違いして東大受験を諦めろって話になっただけだし、君が本気で努力できる人だと分かったから、誰も君に東大受験をやめさせようとする人はいないと思うよ」

 相手バンドのリーダーの発言を訊いて僕は、かなり嬉しかった。


 僕は文化祭のバンドも終わり、相手のバンドと同じように、バンド活動は一旦やめて、受験勉強に専念する事にした。

 「バンドは一旦やめて、受験勉強に専念しようと思うんだ」

 僕は他のバンドメンバー(今田さん、鈴木君)に言った。

 「当たり前じゃない。バンドと東大受験両立なんてできるわけないじゃん」

 今田さんが意外な事を言った。

 「えっ。今田さんはバンドを続けるの反対するかと、ちょっと心配していたけど、やめて良いの?」

 僕は今田さんに訊いた。

 「最初から、佐藤君の受験の息抜きに文化祭でバンド活動しただけよ。あと、他の理由は佐藤君は意外と器用にいろんな事ができるって、気づいてもらおうと思ったのもあるわ」

 今田さんがなぜバンド活動をしたのかの理由を説明してくれた。

 「なるほどね」

 僕は理由を訊いて、納得した。

 「それで、これからどうやって受験勉強を進めていけば良いんだっけ?」

 「まずは、今まで通りに、コツコツ地道に勉強する事ね。あと大事なのは、目標を細かく段階的に決めることね」

 「どういう事?」

 「いきなり模試でA判定は無理だから、途中の目標をしっかり決める事ね」」

 「なるほど。いきなりテストで100点は無理だから、最初は60点、次は70点って段階的に目標を決めて、達成していく感じだね」

 僕は具体的な目標を段階的に決めて、受験当日に東大合格ができるように、あらためて目標を立てる事にしたのだった。

 (続く) 

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