第8話 完全勝利!論破王に僕はなる!
カンニングペーパーとは、テストで、カンニング(不正行為)に用いられるための紙の事である。紙に試験範囲の試験に出そうな事を事前に書いておき、それをこっそり試験中に見て、カンニング(不正行為)を行うために作成する。
僕(佐藤)と竹内は議論の勝負をする事になった。勝ち負けの判定は今田さんがする事になっている。
今田さんは勝負の前に僕達に言った。「テストの時に他人の机にカンニングペーパーの疑いがかかるような紙を入れる事は、悪い事なのかというテーマで議論の勝負をします。佐藤君は悪い事という肯定側の立場で、竹内は悪くない事という否定側の立場で議論してもらいます。この議論に勝った方は私とLINE交換できます。それでは議論スタート!」
「ええと、そもそもカンニングペーパーのつもりじゃなかったんだ」竹内は今更、めっちゃ無理がある事を言った。
「いやいや。その言い訳はさすがに無理があるだろ・・。まさか、手紙のつもりで書いたとか言わないよな?」佐藤はあきれながら言った。
「そうだ。手紙だよ。そういう事にしとこう・・」竹内は適当な事を言っている。
「適当だな・・」
「算数レベルの公式とか書いてあるし、あきらかに手紙ではないですね」今田さんがカンニングペーパーを見ながら言った。
「カンニングペーパーだと認めます」竹内は力なく言った。
「それを僕の机に入れたって事はあきらかに僕にカンニングの疑いをかける事になり、カンニングは不正行為だから、悪い事だよね」僕は言った。
「カンニングしたら駄目って知らなかったんだよ・・。そうだ、持ち込み禁止のテストだと知らなかったんだ。持ち込みありのテストとかたまにあるし、そういうのと間違えたんだよ。だから、佐藤の役に立つと思って佐藤の机の中に入れたんだよ。テストの紙に持ち込み禁止って書いてなかったもん」
「いや、普通、持ち込みありって書いてなかったら持ち込み禁止に決まっているだろ」僕は言い放った。
「いや、知らなかったって言ってるだろ」竹内の言い訳は見苦しい。
「でも、テストが終わった後に、僕の机の中からカンニングペーパーを取り出して、カンニングしているって言ったよね。あきらかに持ち込み禁止のテストだと気付いているじゃん」
「あ・・・・」竹内は言葉につまった。
今田さんは言った。「この議論の勝負は佐藤君の勝利です。竹内、反論はありませんね」
「ありません。負けを認めます」竹内は肩を落としたのだった。
こうして、僕は今田さんとLINEを交換する事に成功したのだった。しかし、僕は今まで女性とLINEをした事が1回もなかったので最初に何とメッセージを送れば良いのか分からなかった。分かったとしても自分からLINEでメッセージを送る勇気もなかった。そのうち、向こうからLINEのメッセージを送ってきてくれるかと僕は少し期待していたのだが、何のメッセージも送られてこなかった。そして数日が経ち、放課後、今田さんが僕に声をかけてきた。
「佐藤君。論破王を目指してみない?論破王を目指す気があるなら、私、佐藤君とLINEでメッセージのやり取りをしてあげるよ」
論破王というのが何なのかその時の僕にはよく分からなかったけど、今田さんとLINEでメッセージのやり取りができるなら断る理由はなかったので、僕はすぐに答えた。
「論破王に僕はなる!」僕は大きな声で答えたのだった。
(続く)
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