第八十五話 第一国奪還戦②




そしてごろーを召喚して

思いっきり叫ぶ



「魔物だぁ!魔物が城内に侵入しているぞぉー!」



これでここに場内の全部とまではいかないがかなりの兵士が集められるはずだ


さて…

ごろーさんお願いがあります。


どうか兵士達がある程度集まってきたら適当に城内を走り回ってください…できるだけ音をならしながら…


で、俺が合図をしたら[シャドウスキップ]を使って俺の影に飛んで来てください…



ごろーは渋い顔をしている。

このままでは帰ってしまいそうだ



よし、わかった。

またあそこに行ったときに好きなだけ食べていい──



ごろーは乗り気なようだ

雄叫びすら上げている



よし、これで俺の財布以外はどうにかなりそうだな



「こっちだ!一階の玄関にウルフが…いやフェンリルだ!フェンリルが侵入!」


─ゥワオーーーーーン!



ドタドタと人が慌ただしくこちらに向かってきている音が聞こえる。

音の数的に10人ぐらいは連れてそうだな



「〜っ!フェンリルは!フェンリルはどこだ!」


「かあさん!こっちです!まだフェンリルは動いていないです!」



いち早く到着したのは近衛騎士の一人だった。《王都》のサブクエで少しだけ見たことがあったのですぐに分かった。


この人は騙されやすい素直な性格なので一目散に他の兵士より早く動いたようだ



「…はぁ…はぁ…フェンリル!か…?俺も数回は見たことはあるが少し見た目が違う気がするが」


「おそらく特殊個体ではないかと、本で少しだけ見た気が…」


「…それは腕が鳴るな!」



このように他人を全く疑わない。

そして騙される。だが疑わないのでものすごく味方に合わせるのがうまい


普通の兵士が熟練の兵士に思えるほど味方に合わせ、全ての攻撃が致命傷になりえる


その名も

[気遣いのカア]


もうちょっとどうにかならなかったのか…



「ふん…ティガーさん。今日のところは共闘といきましょうか…」


「ズック…お前がいてくれたら百人力だ!」



ズック…近衛騎士の一人


細剣を好み、攻撃のリズムが特殊で相手のリズムを崩し、隙を作り出す

近衛騎士の中で一番のひねくれ者


その名も

[下衆のズック]


こっちももう少しどうにかならなかったものか…



ほかにも二人近衛騎士がいるのだが、何故かスタンピードの方に行っているらしい


近衛の意味がわかっていないのだろうか…


その名も

[老体のマダカ]

[忘却のメシハ]


ボケてんじゃねえか…退職しろ!



「ふっ…本当ならこのような獣私一人でも十分ですが…今日は調子が悪くてですね…」


「たしかに今日あまり食べてなかったもんな…ラッスあまり無理はするなよ」


「こっちのセリフですよ」



そんなことを話している間に一階にはかなりの数の兵士が集まっていた


やっちゃえ!ごーおーろー!



─ゥオォォーーーーーーン!!!



「逃げたぞ!追うぞラッス!」


「言われなくても!」


「お前ら!ティガーさんとラッスに続けぇ!!」


「「「「うぉーー!!」」」」



あ、行っちゃった…

俺はゆっくりとゲイルと姫さまでも探しますかね…




*




二階に上がってきた。

ここは大体が使用人の部屋らしい。ちなみに一階は大胆に半分が玄関。もう半分が飯食う所



今三階から大量の足音が聞こえるためはごろーはいないので基本は安全


ちなみにケネル王城は四階建てで一番上の四階にゲイルはいると思うけど…何事にもイレギュラーはつきものだし、二階からちゃんと見ていこうとしたんですけど…



[ここはプライベートルーム(NPC)なので権限なしでの入室は不可能です]



と出てきて実質あかない…

このプライベートルーム…プレイヤーだとホームと借りた部屋に該当するものであり…ホームは国につき一つに所有できる自分の家みたいな感じのやつ。ギルドホームとは別。借りた部屋は宿屋とか

NPCだと生活する住居や宿の部屋


NPCのプライベートルームに入るには好感度を上げないといけないので、時間ないから無理。先に進もう


だけどごろーと鉢会わせると同時に大量の兵士とも鉢会わせるのであまり同じ階にはいたくないな…


階段は同じ階に4つずつあり、ごろーはその中の一つを使って移動する。

階段のうち2つは一気に2階移動することもできる…てところかな…なんかどこかの入社試験みたいになってるな…



正直どうしたら確実に会わないのかはわからいないので、というか確実に会わないはないかもしれんしな…


じゃあ適当にいきますかね…




*




なんか簡単に四階までこれちゃつた宵ちゃんです


なんかすんなり過ぎて嫌な予感がぷんぷんするんだよな……


とりあえずあそこが執務室だろうし行ってみよ──


トン…トン…



「あっはぁ…やぁ…■■■クン…また…会えたねぇ…」



深淵がこちらを覗き込んだようだ…







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