第七十六話ユニークモンスターとイベント㊸
ギィン!─キン!
まるで金属製の物がぶつかり合うような音を立てながら爪と爪が激しく弾き合う
ぶつかるたびに火花がちり、薄暗くなった戦場を鮮やかに彩る訳では無いがそれなりには目立つわけで…
[………ヴゥッ]
(まぁ音と光につられて集まってきますよ、ね!)
[[ヴゲッ…ヴァルヴゲッヴァ…ルヴゲッヴァルヴゲッ…]]
(こっちの攻撃の手もどんどん衰えるどころか逆に増していってるし…!)
ちなみにもう[幻影化]は使用済みだ。使わないとあのAGIにはついていけん…それでも尚ぶっちゃけ見失い放題なのだが…!
(あ゛ぁ!うっざいですね!ちょこまかちょこまかと…もうそっちがその気ならこっちにも考えがありますよ!)
[……ヴゥ…!]
(邪魔です!)
[……ヴゥ……、]
さぁてレジェンド・ダ・ゾンビを片手間に潰したところで、これ若干ずるじゃねと思っていたことをやるぞ…いいんだなやっちゃうぞ…いいのか──ん?もういい?スー…じゃやりますね…
([変幻自在(
最近気づいたことなのだが、変幻自在を使って近接系の武器に変形させてそのまま殴るとダメージはSTR換算で出され、遠距離系の物を射出してダメージを与えるとその射出物を生成する時に使ったMPにより換算される
今はそんなことはどうでもいいのだが
そしてMPはINTの値により増減する。大体一桁だと二桁、二桁だと三桁、三桁だと四桁、と言うようにINTが一桁上がるたびに、MPはINTの桁の一つ上の桁になる
で、俺の今の武器は機械銃なんてカッコつけ言っているがマシンガンだ。マシンガンは連射に優れている。そして此処にありますのは一つにつき1MPを込めている弾丸…
(さぁ固定ダメージカーニバルの始まりですよ!!)
始め10000発、連続ヒットにより100000発斬撃により100000の斬撃も追加で200000発、二元化により弾丸の100000発と斬撃の100000発を追加して計400000発、これ全てに固定ダメージ2000が乗り、全て当たれば総ダメージ80000kダメージ…馬鹿じゃねぇの?
実際の弾数は10000発だし、全てが当たるわけがないが、運が悪くても1000発ぐらいは当たるだろ…それでも8000kは入るという恐怖…
でも念には念を入れるってことで
(ふわり〜ん?いるならあいつ乗っ取っちゃってー!)
(んわんわ!)
[ヴヴヴヴヴヴぅぅ…ヤメテヤメテヤメテ…ぅ…]
(ありがとう…で合図するまで動かないでね…合図したらそのまま逃げていいからね…)
[ゔわゔわ!]
(え…やっぱりきつそう?じゃあ早くするねー………)
標準を定めて…自動装填にして…固定して…よし
(……出て!)
[ゔわ…………ぅ…?]
(放てぇ!!)
[ぅ……?]
ふわりんにさっきまで乗っ取られて状況も理解できていないまま、マシンガンで蜂の巣にしてやるよ!
(マシンガン!破壊光線!)
──ギュルルルルル!「ちょっとまっ──…ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
なんかマシンガンを撃つ前に誰かが射線上に現れた気がしたけど気のせいだろう…たぶん…
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド「止めて──ドドドドドドドドド「止めてって──ドドドドドドドドド「止めろっつってんだろうがぁ!!気づいてるだろ!」
声がはっきりと聞こえてきたので撃つのをやめると、砂埃の中から背丈が低めな頭にでけぇ角が生えている系女子が出てきたかと思えば、目前に拳が迫っていた
「何やってんの!!」
(っ!ぶないな!いきなり殴りかかってこないでくださいよ!)
「あんたに言われたくないわ」
(それはそちらが射線上に入ってくるから──
「そのことではなく止めなかったことを───
(ガミガミガミガミ──!)
「ガミガミガミガミ──!」
え?これ私何を見せられてるん?といった顔で異形が比較的人形な二匹の小競り合いを眺めているのだった
*
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