第六十六話ユニークモンスターとイベント㉝
あれから少し経って二人で森の中を歩いて魔物を狩りながらシノの話を聞いていた
シノはキャラメイクにて種族をランダムに選択を選んだらしい…ランダムとは言葉の通りランダムに種族を選ぶことだ。そして通常では選べないレア種族になれることがある(超低確率)
それで運がいいのか悪いのか、半人半魔というレアハズレ種族になってしまったらしい
初めはシノは喜んだ。まぁレア種族だし、まだ誰も半人半魔の情報なんて持ってなかった頃だし
そしてシノは攻略サイトで見た初心者におすすめのステ振りをした。
でもこれが逆効果…半人半魔が恐ろしく初心者に向かない種族だったのでステ振りとネット頼りの知識が役に立たない
で、地上に降り立ったわけだが…まさかの初期スポーンが森の中しかも初心者が決して入ってはいけないというか入れない《フォーバル》の
それに気づいていなかったシノはあるゴブリンを見つける。
ホブゴブリン…普通に《フォーバル》に来ているプレイヤーなら雑魚中の雑魚…だけど初期ステの初心者にはフィールドボスがうろちょろいることと同義
ホブゴブリンの見た目もいけなかった…だってゴブリンだし大丈夫だと雑魚だと勘違いしてしまう…
そして舐めた思考、行動でホブゴブリンに挑み、痛覚設定をいじるのも忘れていたため死と同等の痛みと絶望を味わった
それを繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し……ようやく[隠密]を所得した。
だけどそれは遅すぎた。
もうプレイヤーが《フォーバル》に到着していたからだ。そして次はプレイヤーからすでに慣れきった痛みを繰り返し味わった。
でも[隠密]が進化して[隠蔽]になってからは鼻や感覚の鋭い魔物や、獣人系のプレイヤー以外にはバレなくなった
またしばらく時間が経って俺と出会ってしまった…
というのがシノがこれまでにFTOで体験したことの全てだ。
掲示板での扱いが申し訳なくなってきた
(今まで申し訳なかった…)
「え!?ちょっと…!顔上げて下さい」
(私は掲示板でシノにかなり酷い扱いをしてしまった。今になってから謝罪するのは都合がいいと思うが…どうか許してほしい…そのほうが面白かったんだ…)
「いえいえ…そんな私気にしてないで…すし?」
(ありがとうシノ…!)
「なんか丸め込まれた気がする…」
(さーて…魔物でも狩りますかね…)
「無視しましたね!?」
ソンナコトハナイヨ!シノチャン!
さーてシノの気をそらすために見たことないであろうスキルでホブゴブリンをボッコボコにするぞぉー!
*
「そういえばエイダさんって《サーデム》の強力な魔物なんですよね?《サーデム》から離れてもいいんですか?」
(あぁ…それなら大丈夫だよ。デコイを立てておいてそこにプレイヤーが近づくと強制的に戻されるから)
「なるほど…ではなんでわざわざ《フォーバル》に?」
(なんか急にグイグイくるね…まぁ話すけど…それは強力な魔物を出来るだけ倒すためだね)
「エイダさんも強力な魔物なのに?なんで…?」
そうするとシノはしばらく考え込むようにしている
流石に《第一回闘魔王国杯》に出たいから駄とは思わないだろう
「…!わかりましたよ!スバリ!王国杯に出たいからですね!」
(ブフ…!?な、なんでわかったの?まさか心を読むスキルでも…)
「違いますよ…ただ単に人の顔色を伺いすぎてなんとなくわかるようになっただけです…戦闘では使えませんけど…」
あーこの人十分常識人じゃなかったわ…ていうか痛覚設定100%の死の痛みに慣れた時点でもう人ならざるものだわ…
「ち、ちょっと!なんで離れるですか?!」
(いやーあのーそのー……あっ!ほら魔物だよ!早く倒しましょう!)
「あ、ちょっと待ってくださいよー」
*
魔物を倒してからしばらく森の中をあるき回っている…この森広すぎない…?
「止まって下さい…エイダさん…」
(なにか見つけた…?)
「はい…これまでとは比べ物にはならないほどやばい奴を…」
森の中の少し開けている所の岩の上になにか座っている
背丈は普通の人族と同じぐらいで、全身黒い鎧に身を包んでいる。
左手には不気味な色をの大盾、右手には古びている剣を持っている
そして全身からは黒いオーラと強い威圧感を放っている
……間違いなく、[黒王]と[
「うそ…[古の剣]は討伐済みのはずじゃ…」
明らかに[古の剣]と同じものを持っている……やっぱり[黒王]は成長型のボスか…
*
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昼に投稿していた物を参考にさせていたき、複数話に分けることにしました
まだまだ長そうなイベント編をよろしくお願いします!
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