第四十四話 決着(別視点)
(別視点)
剣豪、要塞死人と遭遇した時はかなり焦っていた。
何しろ本で読んだことがあった【剣の厄災】と【盾の厄災】にとても似ていたからだ
でもこいつらは【厄災】なんかでもなんでもない。明らかに弱すぎる
【厄災】は基本特殊な討伐方法や大規模レイドが予想されているのにこいつらはいつの間にか現れてレイドにもならず何も特殊な討伐方法っぽくない
ここら辺は昔に【厄災】が暴れたという記録が残っていたため、十中八九こいつらは剣と盾の【厄災】の影響を強く受けてしまった魂が死体に宿ってしまったために発生した魔物だろう
そして自分が【厄災】何だと思い込み、生前の記憶を頼りに自分なりの【厄災】を再現していたのだろう
死んで楽になったと思ったら、自分の意思が捻じ曲げられてその捻じ曲げられた意思に基づいて行動するのはほとんど傀儡も同然だろう
「爺さんもう終わりにしよう…」
「私は俺儂は完璧なんだ…!崩れることなどないんだ…!」
「なんか可哀想に見えてきたよー…」
「こいつもある意味被害者なんだろうな」
ある程度ダメージを与えたため捻じ曲げられていた意思が戻って来ているのだろうが、もはや魂が混ざりすぎて完全に戻ったとしても狂ってしまうだけだろう
「一号…やっていいぞ…」
「二号がやらないんだねー?」
「俺はこういうのには弱いんだ…」
「なら俺がやろうか?この大剣でさっくりと─」
「「お前には絶対にやらせない!」」
「ひぇ〜…怖い怖い…はいはい邪魔者は退散しますよ…」
三号はこのシリアス感を台無しにする予感しかしなかったので三号にやらせるという選択はもとから存在していない
「じゃ、私がやっちゃうねー」
「小娘、女お嬢さんは空気弾の相殺で一杯一杯じゃないか?我、僕の空気弾を突破するなど不可能」
「えっ…なにおじさん、あれがまさか本気だとでも思ってるの?」
一号が引き金を引こうとすると爺さんが空気弾を放つ、一号もそれに遅れて引き金を引くとさっきよりも光が薄い光弾が放たれる
「そんなものじゃ、俺私の空気弾は突破できないぞ。」
そう爺さんは言うが呆気なく、抵抗すらなく空気弾を光弾が貫通して爺さんの頭を的確に撃ち抜いた
「──ぐぇぁぇぎぃアァァァァァァァ!!!!痛い痛い痛い痛い痛い!!!!崩れる…儂俺我僕私が崩れ─痛い痛い!!お母さんたずけてよ!!見捨てないでぇ!!ぐずれ゛る!!!崩れて崩れて消えるぅ!!!!死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅ!!!!!」
「一号、三号帰るぞ…」
「でも─」
「情が沸く前に早く帰ったほうがいい…それともあれにとどめを刺せるのか…?」
「イヤダイヤダイヤダイヤダ!!!キエルキエルキエルキエルキエル!!!!イタイイタイイタイイタイ!!!!」
「無理だね…」
「それなら早く帰るぞ…」
「了解…」
俺達はまるで逃げるように《サーデム》へと絶叫を後ろにして帰った
[要塞死人が討伐されました]
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