第二十七話ユニークモンスターとイベント⑤




《街を守れ!スタンピード発生!》

 二日目





再びログインしてから数時間が経ち、スタンピード第二波がやって来ようとしていた。


今日も今日とて城壁の前にはたくさんのプレイヤーの姿が…

明らかに昨日より増えてやがる……

ふざけんじゃねぇ…!



そんなことを言っても現実は変わらないのでさっさと今日のメンバー紹介をしていくぜ…



*


《ボーンウルフの駒》×300

《ゾンビウルフの駒》×150

《ゾンビウォーリアの駒》×50

《スカルの駒》×50

《メグニリの駒》×50


*



二日目はこれで行こうと思う

状況次第ではふわりんは投入するかもだけど…


そういえば《ファスト》と《セカディル》は早く終わった人達が協力してなんとか二日目開始前には終わったらしい


おっと…もうそろそろ開始かなぁー



[スタンピード第二波が発生しました。]




*




第二波が開始してから一気に昨日とは比べ物にならないほどの魔物が召喚される


魔物はそれぞれ吠え叫び


プレイヤーは雄叫びを上げる


スタンピード第二波が開始した



*



うわぁ…魔物とプレイヤーで地面が埋まってやがる…きもっ…


少し観察すると魔物とプレイヤーが多すぎるせいでプレイヤーたちの進行速度が昨日より圧倒的に遅い


この調子ならこの場を離れても大丈夫そうかな…



スタンピード時は絶対にそのフィールドを離れてはいけないと言うわけではないらしく

その場にデコイを設置したら自由にして良いらしい、そのデコイにプレイヤーが接近していたら強制的に戻されるが…



じゃあ《ファスト》にでも行こうかな

流石に物量が多すぎるから終わらなかったと言う割には昨日時点での討伐数が少なすぎると思ったからだ



というわけでデコイを設置して、[瘴気変質]で旅人の姿に早変わりして、戦場からは見えない位置で《ファスト》に続く道に侵入した



*



かなーり歩き、ようやく《ファスト》の戦場…《始まりの野原》が見えてきた


遠くから見てもかなりの数の魔物が確認でき中でもアルミラージが多いように感じる


アルミラージは普段は温厚で可愛らしくペットにもできるらしいが、スタンピード時には決死の覚悟で突進してくるらしい。

しかしそれも可愛いらしい…


個で見ると可愛いんだけどなぁ…あんだけいるともはや恐怖しか感じんなぁ………

………

……


ここら辺で瘴気をさらに変質させ、透明化する。

いやちょっと[瘴気変質]便利すぎるな…じいさんに感謝…



そして浮遊でMP消費をして、高速移動し《ファスト》に入るための門の近くの茂みで瘴気変質し旅人に変装する


そして何食わぬ顔で門番に話しかける


………

……

あっそういえばこれ話せないんだったわ



「おい!そこの怪しい者とまれ!」



怪しい者…?

どこにいるんだそんなやつは…?



「だから止まれと言っているだろ!」



あっ…俺のことでしたか…




*




「身分を証明できるものを提示しろ」



何だこの失礼極まりないやつは…

お客様は神様だぞ

《サーデム》の門番を見習ってほしいね


とりあえず《サーデム》で発行してもらった商人証明書を提示して、ついでに声が出せないことも説明した紙も門番に見せる



「ん?なんだぁ?声が出せない?そんな甘えたこと言うな!どうせ声出す努力もせずに甘えてるだけだろぉ!?」



ほんとにこいつ失礼なことしか言わないなぁ…!?

こちとらお前の首いつでも飛ばせるんだぞぉ!?(物理的に)しないけど



「ほら障害者は帰ってくれ!街で面倒事を起こされたら迷惑なんだよ!」


「はい次の人いいですよー!こんな邪魔なやつは無視してくださーぃ」


「おいお前…ないしてやがる…?」


「それはこの邪魔でしかないやつを街に入れないようni…」



───ズドォォォォンン!!!



ほぇぇ…

えぇぇ…とんでもない勢いで門番の顔が地面にめり込んで───


──ドォン! ──ドォン! ──ドォン!



ちょ…!やり過ぎ!やり過ぎ!

もう息なさそうだって!



「やめ…やめ…やめて…やめてくだ………」



良かった生きてた…



「やめろだぁ…?お前がこの方にしたことはこれの何倍も痛いことなんだぞ…?」



いやありがたいけど!俺もう大丈夫だから!



『やめてあげてください…もう気にしていないので…』


「そうですか…でもこいつには個人的にムカついているので後に罰を与えることにします。ご配慮ありがとうございます。」



叩きつけが終わった頃には門番の顔はボッコボコになっていて、前の姿など見る影もなくなってしまった…



「いきなり乱入してしまいすいません。私はファスト自衛団団長のバージと申します」


『私は旅人の宵と申します』



謎の自己紹介をしたあと、バージさんは商人証明書を確認するとすぐに通してくれた。




*



少しいい宿をとり、商会に入る

商会で素材などを物色しているとちょうど競りがはじまっだようだ

商会にはただの売り買いだけでなく競りもやっているため少し覗きたくなってしまった。



競りではポーション詰め合わせや珍しい魔物の素材が出されていたがやはり一番人気は強化石、スキル結晶だ



強化石は武器、防具を一段回存在昇華ができる石。とてもレア

相場2500000(250000円)


スキル結晶はランダムでスキルを取得できレア度が高いほど良いスキルが所得できる。ものすごくレア

相場5000000(500000円)



狙いはこの2つだ



*


う〜ん…


「4500000!」

「4550000!」

「5000000!!!」

「6000000!!!!」


「他にいらっしゃいませんか〜?………………6000000で4258が落札です!」



無理だこれ…



*



大人しく商会で使うかはわからない《火炎石》(燃えている石)を一個買って再び野原にくりだした。



*



浮遊で空を飛びながら野原を見回すと昨日中に終わらなかった理由がわかってきた



その理由は

迷惑プレイヤーの存在だ



「おい!どけ!これは俺達の獲物だ!!」


「お前らがのろまだから昨日中に終わらなかったんだよ!!」


「ゲームやめろ」



罵り方が小学生以外なんだよなぁ…

それでいて少しだけPSがいいのもムカつくなぁ…



「1枚やり〜w」


「こっちはもう3人やりました〜ww」



迷惑PKも湧いてるなぁ…

こりゃ昨日中に終わらんよなぁ…

ここは中級者プレイヤーとして制裁をくわえてやらねば…

善良なプレイヤーに当たったらごめん!


[瘴気発生]

[瘴気変質]


へへへ…カルマ値が一定以上を超えているとダメージが入るようにしてやったぜ……



「な、なんだこれ…?瘴気っぽいけどダメージはないなぁ…?」


「ちょっ!ふざけんなし!なんだよこれぇe」


「なんかクソ野郎だけダメージ受けてるみたい…?」


「ようやく運営が対応してくれたのか…!!」


「おい!クソ運営!これを今すぐやめr」



おー見事にゴミどもだけ散ってくなぁー

見ろぉ!ゴミがゴミのようだ!



「よっしゃぁ!!今のうちに魔物を倒しまくるぞーー!!」


「「「うぉぉぉーー!!!」」」



これで《ファスト》はなんとかなりそうだな!

カルマ値が一定以上だとデスペナで全持ち物、経験値、レベルダウン、存在退化するらしいからな!



《サーデム》もまだまだ大丈夫そうだし次は《セカディル》だぁーー!






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