第二十五話ユニークモンスターとイベント③
あれから2時間…動かず、喋らず(元から喋れない)を突き通した
奴らはまだこの周辺をうろついているようで、時折話し声が聞こえる
作戦決行にはちょうどいいぐらいの明るさになってきたのでそろそろ動き始めようと思う
決してさっきからごろーさんが睨みつけてくるから動き出すわけではない…
*
(別視点)
「おい、見つかったか?」
「いえ、まだあの魔物を発見できていません。[隠密]を持っている可能性が高いかと」
「了解した。お前らは一度休憩を取ってこい。疲労の状態異常になってもらったらこっちが困るからなww」
「リーダーが倒されることはないと思いますが、万が一のこともありますのでお気をつけて。では失礼します」
そう言うとクランメンバーの数人がログアウトしていった。
戦闘フィールドでログアウトすると非戦闘フィールドでログインするため移動手段としては有名な方法だ
「さぁて残ってる奴らは一応料理アイテム食っとけよー!食い終わったやつから随時捜索を再開しろ」
「「「おぉぉーー!!!!」」」
あの魔物が強力な魔物なのかは知らんが、倒しておいたほうがいいことに変わりはないだろう。
そうしてこのスタンピードを沈静化し安心、安全にこのイベントを他のプレイヤーたちにも楽しんでもらうのだ!
それが我がクラン【安心!安全!ノータブル生命!】の使命なのだから!!
GAHAHAHA!!
──ガサッ
ん〜?なにか音がしったぞー?
とうとう尻尾を出したかクソモンめ?
「一班と二班偵察に2、3人を向かわせろ。それ以外のやつは逃げられないように戦闘用意!」
「「「おぉぉーー!!」」」
指示を出したあと音のした箇所の特定に入る
音がしてからあまり時間は経っていないため逃げられていたとしても大人数で包囲すれば逃げ場はない
「音の箇所の特定を完了した!サーデムを十二時としたとき四時の方向!およそ350m先!そこを中心として包囲を開始しろ!!」
「「「おぉーーー!!」」」
これで包囲が終わってしまえばあの魔物などまるでまな板の上の鯉だな!GAHAHAHA!!!
『報告します!包囲が完了しました!これから偵察に向かわせます!』
「了解した!俺は音の主の特定に入る!そのまま包囲の輪を縮めながら報告をまて!」
『了解!』
さぁ!年貢の収めどきだ!クソモンめ!
範囲をさっきの地点から半径500mで[索敵]を使用する
ん?何だこれは?丸っこい物体がさっきのところから動かずに浮いている?
そのまま観察していると急に物体が縮みバチバチとしたものを放った
すると外側からものすごい勢いでエネルギーの塊が近づいてくる!
「報告!報告!総員退避!退避しろーーーー!!!!」
『了かi──』
──バチィィジジジィィィ!!!
報告した瞬間包囲の輪にエネルギーの塊の輪が接触した
凄まじい音を放ちながらクランメンバーを蹂躙していく
[クランメンバーの半数が死亡しました]
なんと無慈悲なアナウンスだ
クランメニューを開き生存人数を確認すると百人程度いたクランメンバーがもうあと十人しか残っていなかった
確認し終えたあとすぐさま俺はサーデムへ引き換えそうとした。
しかしその道を黒尽くめの魔物が塞いだ…
*
(骸ノ宵視点)
いやーうまくいくもんだな!
せいぜい半分持っていってほしいとは思っていたけど想像以上の成果だ
当初の予定では普通にごろーが戦いながら俺とふわりんで後方支援をするつもりだったのだが
極級魔法に[マグネットプラズマ]とか言う魔法があったのでどうせなら使ってみようと思ったのだ!面白そうだったし
[マグネットプラズマ]とは始めにプラスの電気を帯びたプラズマを生成し、その後にマイナスの電気を発生させるとその電気に向かってプラズマが凄まじい勢いで迫ってくるという魔法だ
このプラスのプラズマをごろーとふわりんで協力しながら円を描くように配置してもらい
その真ん中にふわりんが入り
物音を適当にたてて
敵がいいぐらいに近づいてきたら
俺が合図を出して[マグネットプラズマ]を起動させるといった作戦だったのだ!
お前ほとんど何もしてないじゃねぇかって?
頭を使ったんだよ頭を!
あーー!頭を噛まないでごろーさん!
よしあとの十人のゴミ掃除するぞー!!
*
(別視点)
道を塞いだこの黒尽くめの魔物が、いや黒尽くめのクソモンが十中八九あれをしたのだろう!
許せん!我が同胞を!我が
こうなってしまったからには俺が直々に引導を渡してくれるわ!
俺は愛用しているロングソードを鞘から引き抜き戦闘態勢をとる
魔物も鎌を構え戦闘態勢をとっているようだ
案外この魔物クソモンじゃないんじゃないか?クソモンならもう攻撃してくるだろう?
魔物がじりじりと距離を詰め
俺は一歩ずつ魔物に近づく
俺はロングソードを少し下げ、姿勢を低くし魔物に斬りかかる!
当然魔物は防ぐと思っている一撃
しかし魔物はその攻撃を避けない
まぁそれなら好都合
ロングソードに魔力を流し光属性を付与する
でも魔物は避けない
そしてそのまま魔物に刃がとどいた瞬間……ロングソードが魔物に触れたところから折れる
まじかよ…でもまだやれ──
折れたロングソードに呆気をとられている隙に魔物の鎌が俺の首にとどいてしまった
そして夥しい量のダメージエフェクトが飛び散る
[■■■により1500ダメージ]
[■■■により1500ダメージ]
[■■■により1500ダメージ]
[■■■により1500ダメージ]
[■■■により1500ダメージ]
……………
………
完敗だな…
*
お読みいただきありがとうございます!
よかったら★と♡をよろしくお願いします!
とてもモチベになります!
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