第十話ユニークモンスター街へ
まだごろーに噛まれたところがじんじんする…これからは対策するときはごろーをどうにかしないとな!
人化できるスキルも手に入れたから、これで街に行けるようになった。
よし!人化して…ごろー俺を乗せて俺が止まれと思うまで走れー!
*
というわけで見えてきましたよー
《商業都市 サーデム》が…
なんか今日は目的地につくのが早くないかって?
焦熱の荒れ地はごろーさんがいないときにまたこっそりと行くつもりなのでほのぼの系以外誰も望んでいない(個人の感想)移動シーンは全部カットよ…
探索シーンもいらないだろうって…?
──夜道にはお気をつけください……
城門の門番から死角になっている場所にごろーを駐車して、縮小化してもらいそのまま列に並ぶ。
順番を待っているうちにNPCプレイをするため《商業都市 サーデム》について確認しておこう。
《商業都市 サーデム》
非常に商業が発展しており、王都についで大きく王都よりも人口が多い都市。
商人NPCが多く滞在しており、アイテムをとにかく多く仕入れるならここ!
この都市では冒険者協会より、総合商会のほうが立場が大きい
飯がうまい
といったところだろう。
ていうか上位勢はもう王都を見つけたのだろうか?
NPCの話では存在はしているとは思うが…
くそ!今日ほど掲示板が見たいと思ったことはないぜ…
そうしていると順番が来たようだ。
そういえば身分証明書にもなる冒険者証なくなってたんだったわ…どうしよ…
あたふたしていると自分の順番になってしまった
「何か身分を証明できるものを提示してください」
そう言われ慌てふためく俺
──ジー…
怪しく見られている俺
取り敢えず瘴気でなんとかならないかと、探しているふりをしながら瘴気で転生する前の表示の冒険証を作ろうとしたが自分から離れると霧散してしまうようで断念…まじでどうしようこれ…
「身分を証明できるものがないのなら、通行料を払っていただきたいのですが…」
生憎…手持ちがないんです…
声が出ないぃ…
「そんなに黙ってどうしたのですか…?体調でも悪いのでしょうか?」
門番の優しさが身にしみるぜ…
俺はなにかないかとインベントリを漁った。
なんと幸運なことに宝箱から白紙の手帳のようなものと羽ペンがでてきていたようだ!
十中八九運営の救済措置だろう…
俺は空中から手帳と羽ペンが出てきたらこの心優しい門番が困惑してしまうかと思い、あたかもローブの中にありましたよという風に手帳と羽ペンを取り出した。
そして手帳に
『すいません、私は声を出すことができません。また身分を証明できるものもありません。お金も今は持ち合わせがございません。なのでこれでどうにかなりませんか?』
と書き、門番に見せたあとインベントリにあった。金を渡す。
「あぁ声が出ないのですね…しかしそういうルールになっておりますので……上司に確認してきますね」(^^)
門番の優男に心の中でお礼を言いつつ何度もお辞儀をした。
*
門番の兵士 ハーベスト視点
「声が出ない人にかなり失礼な物言いをしてしまったかもしれないな…
あの人困っているみたいだし、どうにかして都市の中に入れてもらおう!」
ハーベストはそう意気込み、上司に提案を持ちかけた。
「先輩、門に声の出せない旅人?のような人が身分を証明できるものもがなく、お金もないと言われているのですが…どうにかなりませんか?」
「身なりは?」
「黒いローブに黒いブーツ、あとお面をしておられました」
「荷物も確認しろ、話はそれからだ」
「あっ忘れてました」
ハーベストはしっかり者であるが少し抜けているところがある。
「ちなみに通行料の代わりに金の塊を出すことができるらしいので──」
「よし、通せ」
「えっでも──」
「困っている人には優しくするもんだろ」
上司は金に目がなかった。
*
しばらく待っていると門番の優男が戻ってきた。
良かった…後ろの商人たちから殺気を感じ始めてたからあと少しで殺されるとこだったかも…
「上司に確認をとったのですが、その条件でいいそうです。良かったですね!」
『ありがとうございます!』
「いえいえ、私は上司に確認をとっただけですから。それではどうぞお通りください」
ふぅ…門番が優男で助かったぜ…
上司が金にがめついことは知っていたが、門番が優男でなければ確認すらしてもらえなかっただろう…
そんなことを考えながら俺は門をくぐった。
*
《サーデム》へと、入った俺はまずは飯屋が集まっている三番エリアを目指すことにした。
なぜかって?ごろーさんがお腹すいたってうるさいからだ。
正直俺はプレイヤーなのでお腹が空くことはないのだが、従魔化した魔物は腹が減るらしい。
なので飯屋だ。頼めばワンコ用の飯ぐらい出してくれるだろう。AIすごいし…
そして三番エリアに向かって人のやたら多い道を歩いていると突然声をかけられた。
「すいませんー!お兄さん?でいいかな?突然で悪いのですが、焦熱の荒れ地の方から来ましたよね!一昨日に新種の魔物が発見されたんです!なにか知らないでしょうか?」
ギクゥッ!
な、な、なんのことだろうか?!
そそそそんなことしらないけど………
と、声が出ていればなっていただろうが今の俺は声が出ない!そう声が出ないのだ!ガハハ、勝ったな!
「どうしたのですか?そんなに冷や汗をドバドバかいて?」
なんでこのゲームは…冷や汗を出すんだ…これでは言動でバレなくても行動でバレてしまう…
「まさか…?お兄さんなにか知ってますね?ちゃんと話してくださいよ〜」
取り敢えず手帳と羽ペンをローブの中から取り出し、声が出ないこととなんのことだがわからないことを手帳に書いた。
「申し訳ないです…声が出ない方だとは知らずに話してくださいなんて言ってしまって…それで慌てていらっしゃったのですね!」
『すいません本当になんのことだが…』
「いやいや…こちらが悪いのでお気になさらず…それでは」三
そう言い残すとそのプレイヤーは走って門の方に行ってしまった。
あぁいういい子を騙すのはなんだか申し訳ないなぁ…
*
FTO公式SNS
………
……
…
[名無しの鍛冶職人]
あれから探しているけど、誰も会えないのな…
[名無しの戦士]
それなぁ…俺が倒してやろうと思ってたのに
[名無しの魔道士]
マジレスすると戦士お前じゃ無理。
モフり隊は割とガチってるギルドだからな…あの時はサブ装備だったらしいけど
[名無しの探偵]
焦熱の荒れ地の方からくるプレイヤー?がいたから聞き込みしてくる!
[名無しのコック]
迷探偵さん…多分新種の魔物探してる人だと思うけど…
ていうかうちの店人こなさすぎてほぼ廃業寸前なんだけど…
[名無しの双剣士]
迷探偵さん…頑張って…
コックお前は知らん
[名無しのコック]
辛辣…
[名無しの探偵]
迷探偵って言うな…
検証やらんぞ…いいのかな?
[名無しのコック)
申し訳ございませんでした。
名探偵様…
[名無しの双剣士]
すいません、名探偵様…
[名無しの探偵]
それでそのプレイヤーだけど…検問で引っかかってるぽいね。
どうやら身分を証明できるものももったいないみたい…
[名無しの治癒士]
あぁ…たまにいる自己管理できないマンかな?
通行料支払わないと行けないんだよねぇ…あれ割と高いよねー
[名無しの武士]
治癒士自分で暴露してどうする…
[名無しの探偵]
あっ…なんか見せてる?そしたら門番が詰め所に入ってった。
[名無しの弓使い]
なぜに?
[名無しの槍使い]
知らん
[名無しの弓使い]
お前には聞いてない
[名無しの探偵]
門番戻ってきた!
そしたら何か渡して通ってった!
[名無しの格闘家]
これはほんとになんで?
[名無しの魔道士]
多分金になる何かを渡したんだと思う。あそこの門番の上司は金に目がないから、金になるもん渡せば通れる上位勢の中では常識
[名無しの大盾使い]
上位勢アピ乙w
[名無しの探偵]
第三エリアの方に向かってるから聞いてくる!
[名無しの賭博者]
なにか情報増えるといいねー(遠い目)
[名無しの技師]
増えるわけ無いだろ…それが迷探偵さんだから
[名無しの銃剣士]
同意
[名無しのシリアルキラー]
そうだよねー
[名無しのテイマー]
あっ魔物より嫌われてる人ちぃーす
[名無しの盗賊]
シリキラさん今第四の街?
[名無しのシリアルキラー]
そうだよぉ…人が少なくてぇ…キルができないんだぁ…
[名無しの刀使い]
よかった…第三の街じゃなくて…
[名無しのシリアルキラー]
待っててねぇ…刀使いくん…いま行くからねぇ…
[名無しの槍使い]
おい!刀使いお前のせいで、最強のPKが来ちまうって!!
[名無しの魔道士]
シリキラさんそこら辺の上位勢よりPS高いからなぁ…刀使い、槍使いはお疲れ様
[名無しの鍛冶職人]
手合わせとくわ
[[名無しの刀使い、槍使い]]
見捨てないでくれよー!!!
[名無しの探偵]
聞き込みしてきた…
[名無しの双剣士]
あっこれは…
[名無しのコック]
あっ…(察し)
[名無しの探偵]
その人プレイヤーですらなかった…
[名無しの砲兵]
まぁ迷探偵さん切り替えてこ
[名無しの騎士]
どんまい…迷探偵さん…
[名無しの魔道士]
次はうまくいくと思うよ…迷探偵さん…
[名無しの探偵]
うわぁぁぁぁーーん!!!みんながいじめてくるぅぅぅ……
*
明日はハロウィンですねー
ぼっちにはなにも予定がないですが…
何か1日1話更新とは別に書きます。
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