第九話ユニークモンスター探索する


ここのフィールド…焦熱の荒れ地は草木は生えておらず、あるのは熱い地面と枯れ木や死霊系の魔物だけだ。



検証班によると、何故地面が熱いのかは、NPCや図書館の歴史の本にも載っていなかったらしい。



一説には、近くに火山のフィールドが隠されているのでは?などの憶測が飛び交っている。



だが、最近かなり古い文献にほとんどかすれすぎて読めないが手がかりになりそうな一文があった。



『あ………い悪…を……し…日…ら、…候が……しくな………い…ここ1………雨が降………な……森だ……とこ……人体……焼……ど…日差……降…注……る…も…時……も死……だ…う……神が……てし……ている…』



まじで何書いてあるかわからん…

こんなのを解読しようと頑張っている検証班は本当に人間なのだろうか…?





*





そんなことを考えていると、辺りが暗くなり始め魔物が湧き始めた。



そして俺は気づいてしまった…

ごろーを置いてきてしまったことに…



まっずぃ…ごろーさんがいないと高速移動できないし…俺が楽できなくて…もふもふが堪能できないではないか?!



戻ろうか悩んでいると、不意に俺の中から小さいサイズわんこが飛び出してきた!



くっ…俺がごろーさんを失ったことに深く悲しんでいる時に、黒いわんこの魔物をよこしてくるとは…運営、俺観察してない…?



取り敢えず戦う前に鑑定せねば…



*


name ごろー 縮小化中


*



くっ…しかもネームドモンスターかよ…名前がごろーだと…同名だと…!

しかしここはやらなければやられる世界…俺はたとえごろーに似ていたとしても戦ってやる…!

覚悟!



相手のごろーの前足ペチペチ!


骸ノ宵にほとんど瀕死のダメージ!



いやー冗談ですやん…ごろーさん…

冗談冗談…あっちょっと待ってお口開けて噛む準備しないで、ほんとに従魔に冗談で攻撃して、ユニークモンスターが討伐されるとか笑えないから…



しかしなぜごろーがここにいて、こんなにも小さくなっているのか?

ん?ごろーの名前の横に縮小化中って書いてあるわ…なるほどね。



説明しよう!

縮小化とはβテストで従魔にした大型の魔物が街に入った際に、プレイヤーに街に魔物が攻めてきたと誤認してしまう人が多かったためクレームが殺到して、実装された大型の魔物が自身の大きさを自由自在に変えられるシステムのことである!

ん?何?それだと大型の魔物と小型の魔物で大きな戦闘でのアドバンテージがなくなってしまうではないかって?

大丈夫!小型の魔物は例外を除くと強いのはいないから。

そもそも従魔化を今使っている人はほぼいないけどね…ハハハ



しかしまだ、ごろーが俺の影の中にいた理由がわからない…

取り敢えず何かのスキルが、悪さをしているのだろう。

おらぉ!メニューから確認!



*


Skill

影炎 影纏 シャドウスキップ 咆哮

筋骨隆々 クリティカルキラー 神速


*



この中で怪しいのが…


影炎、影纏、シャドウスキップかな?


神速もスキル名的に怪しさはあるが、これはAGIを2倍にするスキルなので関係ない。



取り敢えず、一つずつごろーに使ってもらうことにした。

そしてこれがおそらくのスキルの効果だ。



影炎

相手の影を伝うように追尾する黒い炎を放ち、当たると炎が燃え移り一定時間ごとにダメージを与える。



影纏

自分の身体に影を纏い、物理攻撃を無効化する。(夜にしか発動不可)



シャドウスキップ

影に潜りこみ、視えるところの影に移動できる。



まぁ確定でシャドウスキップだろう。

スキルの発動も見た限り、さっき影から飛び出してきた時と同じモーションだったし。



しかし、俺はあの洞窟からはかなり離れていたはずだ…なのになぜ…

ハッ!後ろから余計なことを詮索するなという視線を感じたのでごろーとまだ旅をできることを嬉しく思うことにした。でも…あっ!すいませんごろーさん!





*





またごろーに乗せてもらって、一気に《サーデム》まで戻ろうかと考えたが、喋らない、どことなく魔物っぽい、アイコンが敵対の色を示している事から絶対に魔物だと勘違いされて、ごろーさんは手伝ってくれず、ボッコボコにされてキャラロストしてしまう未来が見え見えのため、ここらへんでもレベリングしつつ、救済措置があると信じて探索をはじめた。



決して、ユニークモンスターに転生したから何か変わってるかもしれないという、探索厨の血が騒いでいるわけではなく。ただ単に安全マージンを取りたいからであり…あっ宝箱だー…





*






ゲヘヘへへへ…宝箱が…宝箱が全て復活している…たんさくたのしい…



ごろーの前足ペチペチ!


骸ノ宵にほぼ瀕死のダメージ!



なんてことをするんだ…ごろーさん…人がせっかく宝箱の中から人化のスキルを探しているというのに…何見てるんだ…ごろーには絶対使わないよ…




するとごろーはまるで呆れたという風にその場で丸くなってしまった。



辺りは真っ暗になっていた。

それもそうだ、あれから何時間探索していると思っている!

丸一日だ!はい…すいません…早く進めよ!ってね…でもこれで最後…最後の宝箱だから…



[焦熱の荒れ地(魔)の宝箱をすべて回収しまし──]



アアアアアァァァァ!!!

ん?何かあった?気のせいじゃない?



ということで気を取り直して…次は魔物側のイベントの確認を…



ごろーが殺気を放った!



大変申し訳ございません…ごろーさんさっさと進ませてもらいます。




*




ちなみに街にどう入るの問題はすでに解決している。

それがこのスキル、瘴気変質だ!



瘴気変質

瘴気を好きな形質へと変化させる。

瘴気に毒や麻痺などの状態異常を付与できる

人や魔物に偽装することが可能



救済措置最高!救済措置最高!

何か探索をはじめてすぐに、死霊のおじさんと出会い、街に入りたくても入れないのだろうと見透かされ、瘴気変質を伝授してもらえた。そしておじさんにお礼を言おうとしたらおじさんはもうそこにはいなかった。



ひやぁ…怖い…何が怖いかって、鑑定が通らなかったことが一番怖い…あのおじさん何レベルに設定されてるんだよ…あのデーモンにも通ったんだぞ…



ということで当初の目標の達成したので、探索終了!



ん、何?ごろーさん?何々?その時点でそのスキル手に入れられたのならそこでもう街に向えや!って言いたげな視線だね…それを探索厨に聞くのは野暮というもの…それはもちろん、色々変わってたから探索したいから───痛い痛い!HP減ってるって!減ってるってーーーーーー!




*



PVが2000を超えましたー

この調子で1日1話投稿を続けていきますのでどうか★と♡をお願いします!





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